トップ

2019.1.18

世に貼紙のタネはつきまじ

数年前に新築移転した某総合病院は、来館者の受付から最後の支払いまで、ほぼ自動販売形式で事務の省人化していて、かなり人の流れはスムースになっている。来館者の案内・誘導もいくつかのデジタルサイネージとか表示システムになっている。さすがだなあ、と思っていたが、このところ次第に紙の貼紙が増えてきている。

ここのデジタルサイネージは大別して2種あり、上記写真のような診察の案内は、予約システムと入館時のカード処理などから自動化して表示されている。一方で通路に縦型のデジタルサイネージがあり、そこには以前は紙の貼紙であった諸案内がローテーションで表示されている。それは交通案内とか路線バスの時刻表とか、フロアマップとか、ほぼ内容が変わらないようなものである。これは全く手作業でJPGとかを張り付けていると思われ、動画は基本的にはない。

 

こういうデジタルサイネージに対して、追加されている貼紙は、個々の検査室や診察室など、全館対象ではない追加事項とか、短期間の案内や変更が多い案内などアドホックな内容である。技術的には診察案内のところにアドホックな内容も表示できるので、そうすれば診察待ちでヒマな人はきっと読んでもらえるはずだ。

しかし診察案内のシステム化したデジタルサイネージには、アドホック的な案内が追加しにくいかできない構造になっているのだろう。アドホックな貼紙は、それぞれの部署の判断で貼ったり付け替えたりしなければならないから、システム的なものに情報登録する方法とは運用上の相性がよくないのだろう。

 

一般にデジタルサイネージの配信システムでは、割り込み表示の機能などがあって、スケジューリングやプレイリストの設定をこえて、一時的に別の表示を出せる仕組みがある。防災情報などのことも考慮しているからである。

問題はシステム的な案内表示にそのような割り込み表示があるかどうかと、その割り込みの仕方が簡単かどうかだろう。貼紙をするかどうかの判断は医師がするのだろうが、実際の掲示は事務担当者がするのだろうから、どの事務担当者でも操作可能なアドホックの表示機能があればよいことになる。おそらくこのことは企業や学校の内部のデジタルサイネージにも共通していると思われる。