最初の1年は、デジタルサイネージに特化したコンテンツ制作集団ここにアリ! という意気込みで、ホームページも作ったし、サンプルをあちらこちらに見てもらって、マーケットを探っていった。その思いと、実際の受注というのは少なからずの乖離があったといえる。
デジタルサイネージは10年ほど前から街に姿をあらわしつつあった。駅や大型商業施設だけでなく、PCを内蔵した40インチディスプレイのスタンドなどがお店の前に立つ様になっていった。広告代理店が絡んだサイネージはコンテンツネタが豊富で、テレビCFの流用やクリエイティブな写真が豊富に使われて、街を彩るものとなった。
しかしお店のスタンド型サイネージなどは「電子看板」と呼ばれたように、ポスターの代わりでしかなかった。せっかくデジタルなのにコンテンツを入れ替えるのは容易にはできなかったので、サイネージネットワークはクラウドから配信をする柔軟な方法を採り入れた。
だが実際に営業活動をしてみると、多くのクライアントはクラウド云々以前の、初歩的な課題で足踏みしているところが多かった。考えていたよりも気長な営業が必要に思えた。でもこれから大きく伸びると思わせられる点もあるので、紹介したい。
1.動画の利用は増えている
サイネージは未だにパワーポイント/スライドショウが多いのに、WebやSNSではショートムービーが増えていて、メンバー各社でも動画だけ制作という機会が増えている。また動画を安く制作します、という会社も多くなっている。その先には、デジタルサイネージの特性を理解したもっと特化した制作会社の役割が出てくると思われる。
2.デジタルサイネージをやめたところもある
10年前からの第1期ブームのUSB型のサイネージ活用は行き詰まっている。折角導入しても活用がどんどん広がっていかないからだ。第1期ブームは電飾看板や電光掲示板型看板の延長であったのかもしれない。そこでは実際の売り場のキャンペーンや販促活動とはかけ離れた、年中同じコンテンツが空転しているようになって、ハードウェアの不調と共にデジタルサイネージをやめてしまうことも起こっている。
3.販促とサイネージの連携には時間がかかる
サイネージを看板やポスターの置き換えではなく、販促と連動した仕掛けとして活用するには、仮説をつくり、試行して、予算化して、教育して立ち上げる、という本腰を入れたプロジェクトが必要になり、2-3年計画で臨まなければならない。これを全部営業マンが仕切るのはしんどい。しかしそのようなプロジェクトが実現できれば、今までのどんな媒体にもないような効果も期待出来るだろう。
4.過去のモデルはあてはまらない
いまさらパワーポイント/スライドショウでもないのだが、導入段階では通らなければならない道なのだろう。しかし効果はあるのかと言われたら、別の工夫を提案しなければならない。サイネージにかかる経費を、どこから捻出するべきか、それに定番はないのかもしれない。一部をバイト・パートの教育費としてみる場合もあれば、費用は別クライアントの広告掲載でまかなう場合もあれば、テナントの家賃・管理費から出す場合もあるだろう。
サイネージネットワーク株式会社の第2期は、柔軟な発想で、クライアントにふさわしいアプローチ・提案をしてまいります。