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「2017年2月」の一覧を表示しています。

2017.12.29

お店のカラーを出す 始めるシリーズ③

デジタルサイネージをLED看板の延長上にとらえると、あまりインパクトのないものになてしまうことを以前に書いた。しかし逆にカラーの画面を自由に使えるからといって、派手で目立つ刺激的な表現に走ったらパチンコ屋の看板みたいになってしまうだろう。

せっかくデジタルサイネージに投資したのだからなるべく多くの人を振り向かせたい気持ちはわかるが、お店の本当の良さや雰囲気とは異なる印象を抱かれてしまうと、情報伝達メディアとしては逆効果な使い方になってしまう。むしろ多彩な表現ができるデジタルサイネージだからこそ、お店が顧客にアピールしたいことを明確にしておかなければ、統一感のないデザインを産んでしまうことにもなる。

 

これは新たに何かを作らなければならない大変な作業なのではなく、すでに看板やインテリアや印刷物などの表現に使われている要素を再整理すれば、とりあえずのデジタルサイネージの発注において意図を伝えることはできる。一般にはデザインの「テイスト」といわれるようなもので、いわゆる「~らしい、~ぽい」ものがベースになり、中華ならこんな感じ、ビジネスホテルならこんな感じ、などの雰囲気の上に、さらにそういった分野の中で、お店がどのあたりにポジショニングするのか(高級とか、カジュアルとか、お手頃とか)、を明確にするものである。

 

この「テイスト」に基づいて、配色(背景や基調色、使わない色なども)や使用するフォントなどを絞り込んでいけば、次々に新たなサイネージあるいは他のメディアを作っていっても、お店としての統一感を出すことができる。またデザイナさんや制作する人とのコミュニケーションも円滑になるし、素材の使いまわしもできるようになって、制作のコストもスピードも上げられるようになる。そのお店の独自キャラクターを登場させるというのもテイストを明確にするのに役立つ。

 

逆に新たなコンテンツを制作する度に、これらデザインに関することを考えて、あれこれ試行錯誤するのは大変な作業になるし、しかも結果としての作品もバラバラになりかねない。最初からデザインポリシーやテイストを決めてかかれないにしても、世の中の常識と過去にやってきたことをベースに、これからどのようなサービスやお店づくりを目指すのかを考えて、年という単位で徐々にデザイン性を高めていくような、ビジネスの成長に合わせたデジタルサイネージ活用を考えたらいかがか。

2017.12.22

サイネージはコストがかかる? 始めるシリーズ②

デジタルサイネージなんだから、単なる電子看板として同じものを年中掲示するのは能が無く、ビジネスの移り変わりに応じて内容を変化させたい、という話には納得できても、実際にその都度デジタルサイネージの準備をするには手間がかかりそうで、とてもそんな余裕はない、というお話をよく伺う。

サイネージでもWebでもモバイルでも、それで何をどう訴求するかをいろいろ考えて、そのための準備として、写真や映像の撮影や、コピーの文言を考えることや、パソコンを使っての実際の制作作業には、スキルも道具も時間もかかってしまう。だからいくらデジタルサイネージパネルのコストが安くなったからといっても、お店などでは運用のコストが負担できない。

そこで商品の卸とともに、商品棚に置けるような7インチくらいのサイネージが配らることもある。これならACアダプタを挿す電源さえあれば誰でも使えるし、内容も商品の入れ替えの際にSDカードなどで差し換えていけば、お店の負担にはならない。これはかなり浸透した方法だが、商品をよく理解してもらえるという点では優れていても、お店全体から見ると局部的な販促に過ぎない。

お店が自分でデジタルサイネージを運用している場合には、商品仕入れと共に商品情報も提供してもらって、その動画や写真を店のサイネージに利用すれば、制作コストはあまりかからずに済む。このように商品カタログやWebの商品情報をデジタルサイネージ用に流用できればよいので、印刷のカタログやチラシ、Web・モバイルその他何でも広告や販促に使うものは、サイネージへの流用を考えてためておくことが第一歩だろう。

 

幸い今日では何でもデジタルファイルになっているので、パソコンで管理ができる。ただし印刷物やWebをよその会社に作ってもらっている場合に、再利用の権利が相手側にあって、元の目的以外に使う場合には再度料金が発生するような契約が多い。プロのカメラマンに写真を撮ってもらった場合もそうなることがある。つまり再利用がうまくできるかどうかというのは契約の問題になる。だから印刷・Webその他いろいろなメディアを場当たり的に発注していると、再利用はやりにくい。

 

むしろどんなメディアの制作を発注する際にも、そのイメージをWeb/モバイル/デジタルサイネージを含め包括的に再利用できるような契約条項を用意しておくのがよい。これは無理な注文とか摩擦の種とかではなく、今では紙のカタログでも複合機でPDFにしてWebからダウンロードできたり、メール添付して送れるような時代なのだから、制作されたイメージがインターネットを介した利用ができることの了解をとりつけるというレベルでいいだろう。

これを了解してもらえるなら、印刷物を作成する際には、イメージファイルやPDFの支給もお願いすれば、いくらか料金がかかったとしても、ゼロからサイネージを作ろうとするよりもずっと楽になる。

2017.12.16

サイネージをはじめる準備 その1

年の暮れに商店街を歩いていたら、はんこ屋の電光看板に目がとまった。ん?「暑中見舞い・年賀状うけたまわります」この寒さの中で「暑中見舞い」と言われてはポカン (´Д`)である。つまり一年中おなじ内容がまわっているのだな。

これでは毎日通る人は何も感じないだろう。事実私も今までこの文面には気づかなかったのだから。他に表示されているのは、扱い品目、電話番号、営業時間…などで、おもしろいことは一言も書かれていない。電光看板も毎月何千円かは払っているはずなのに、どこの店もおしなべてあまり特徴のない内容で、果たしてどんな効果を期待しているのかと考えてしまった。

 

それと比べてデジタルサイネージの表現力の豊富さをもってするならば、きっと役立つ看板にはなるはずなのだが、世の中ではまだ電光看板・電飾看板からデジタルサイネージへの転換はそれほど進んではいない。その理由は、お店の側が一体自分の仕事の何をアピールすればいいのかが判っていないので、デジタルサイネージに出すものを用意できないからなのではないかと思った。

言い換えると広告・宣伝をする動機が曖昧なままに電光看板などが導入されたということだろう。デジタルサイネージの販売も10年くらい前から行われてきたが、それが店の人には電光看板の置き換えくらいにしか思われなかったなら、魅力あるデジタルサイネージになるはずはない。これが現状だろう。

 

デジタルサイネージの本当のニーズとは、ビジネスをしている人が「どうしてもしなければならない」と考えていることを手助けすることで、最初にお店が今何を広告すべきかという動機をしっかり確認しないと企画は出来ない。これは難しいことではなく、冒頭の例であれば何月に暑中見舞い、何月に年賀状と、商機は昔から決まっているし、流通商品でも年間カレンダーに沿って仕入は決まっている。そういった昨年なり過去の資料をベースにすればよい。

そして、今年はどんな売る工夫をしようかと考える時にデジタルサイネージの出番もでてくることになる。

2017.12.8

この1年を振り返って

最初の1年は、デジタルサイネージに特化したコンテンツ制作集団ここにアリ! という意気込みで、ホームページも作ったし、サンプルをあちらこちらに見てもらって、マーケットを探っていった。その思いと、実際の受注というのは少なからずの乖離があったといえる。

デジタルサイネージは10年ほど前から街に姿をあらわしつつあった。駅や大型商業施設だけでなく、PCを内蔵した40インチディスプレイのスタンドなどがお店の前に立つ様になっていった。広告代理店が絡んだサイネージはコンテンツネタが豊富で、テレビCFの流用やクリエイティブな写真が豊富に使われて、街を彩るものとなった。

しかしお店のスタンド型サイネージなどは「電子看板」と呼ばれたように、ポスターの代わりでしかなかった。せっかくデジタルなのにコンテンツを入れ替えるのは容易にはできなかったので、サイネージネットワークはクラウドから配信をする柔軟な方法を採り入れた。

だが実際に営業活動をしてみると、多くのクライアントはクラウド云々以前の、初歩的な課題で足踏みしているところが多かった。考えていたよりも気長な営業が必要に思えた。でもこれから大きく伸びると思わせられる点もあるので、紹介したい。

1.動画の利用は増えている

サイネージは未だにパワーポイント/スライドショウが多いのに、WebやSNSではショートムービーが増えていて、メンバー各社でも動画だけ制作という機会が増えている。また動画を安く制作します、という会社も多くなっている。その先には、デジタルサイネージの特性を理解したもっと特化した制作会社の役割が出てくると思われる。

2.デジタルサイネージをやめたところもある

10年前からの第1期ブームのUSB型のサイネージ活用は行き詰まっている。折角導入しても活用がどんどん広がっていかないからだ。第1期ブームは電飾看板や電光掲示板型看板の延長であったのかもしれない。そこでは実際の売り場のキャンペーンや販促活動とはかけ離れた、年中同じコンテンツが空転しているようになって、ハードウェアの不調と共にデジタルサイネージをやめてしまうことも起こっている。

3.販促とサイネージの連携には時間がかかる

サイネージを看板やポスターの置き換えではなく、販促と連動した仕掛けとして活用するには、仮説をつくり、試行して、予算化して、教育して立ち上げる、という本腰を入れたプロジェクトが必要になり、2-3年計画で臨まなければならない。これを全部営業マンが仕切るのはしんどい。しかしそのようなプロジェクトが実現できれば、今までのどんな媒体にもないような効果も期待出来るだろう。

4.過去のモデルはあてはまらない

いまさらパワーポイント/スライドショウでもないのだが、導入段階では通らなければならない道なのだろう。しかし効果はあるのかと言われたら、別の工夫を提案しなければならない。サイネージにかかる経費を、どこから捻出するべきか、それに定番はないのかもしれない。一部をバイト・パートの教育費としてみる場合もあれば、費用は別クライアントの広告掲載でまかなう場合もあれば、テナントの家賃・管理費から出す場合もあるだろう。

サイネージネットワーク株式会社の第2期は、柔軟な発想で、クライアントにふさわしいアプローチ・提案をしてまいります。

 

 

2017.12.1

インスタグラムで超簡単サイネージ

配信型のサイネージを無料でやってしまう方法として、インスタグラムにアップした画像や映像をディスプレイに出すものが現れました。

協同コムが販売する BLUECANVAS という26.49インチ正方形のディスプレイはWiFiで接続するものなので、手元のスマホやタブレットからWiFiでインスタグラムの画像を転送することができます。
配信の設定はスマホ側のアプリ BLUECANVAS editor を使って、起動・終了時間などの管理をします。

http://www.kyodocom.jp/wp-content/uploads/2017/06/BlueCanvas.pdf

ちなみにインスタグラムの推奨画素数は1080×1080ですが、このディスプレイは1920×1920の画素があります。通常スマホ画像・映像は長方形ですが、インスタグラムでは「正方形さん」というエディターを使ってあらかじめトリミングをしておきます。

実物は有楽町の無印良品の食品売り場にあります。

https://www.muji.com/jp/flagship/yurakucho/

軽いディスプレイなので、壁掛けも吊も簡単な工事でできます。もちろんサイネージネットワークでも扱えます。