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2018.5.18

お蔵入りしないサイネージ - レンタルのメリット

展示会など日数の限られたイベントでの一時使用では、プロジェクターや液晶大型パネルをレンタルして使うことは行われている。でも何か月も使うとなるとレンタルするよりも買った方が得だろう。しかし購入となると社内の手続きは面倒になる。一般的にデジタル化した事務機やパソコンのような陳腐化の激しいものは、資産使いには向いていない点がいろいろあり、2~5年程度のリースが使われる場合が多い。ただリースは支払いを均しているだけで、借金して買っているようなものだから、解約というのはなく、やめるなら残金を払わなければならない。まあ実際には安くて性能が良い新製品が出てくることもあって、リース会社では何らかの方法で乗り換えの面倒を見てくれることはある。

デジタルサイネージの場合は、購入・リース・レンタルをどのように使い分けたらよいのだろうか? リース・レンタルがよいのは、購入よりも若干高くついても、最初に設備の総額を用意しなくても始められる点にある。経営的にはリースは税制が変わって資産扱いになってしまったので、経費で落とせるレンタルが増える傾向にある。細かいことをいえば、レンタルは他人のものを借りているだけなので、契約後は返却することで廃棄物処理の手間や費用がかからないなどのメリットもある。

 

ただこういう細かい比較よりは重要なのは、レンタルの方が縛られにくい点であろう。まだデジタルサイネージをどう使えばよいか試行錯誤をしなければならない時には、リースは使いにくい。むしろサイネージを使う体制が整って、マーケティングや販促の一翼を担うものとして何十店舗に展開する時にはリースなのかもしれない。近頃は身近なチェーン店でも一挙に各店舗に展開する話を耳にすることがあるが、すでに年間予算が確保される段階になっていることがわかる。

 

しかし全体としてみればサイネージの試行錯誤をこれから始めるところの方が多いだろう。当然そのような段階では年間予算も計上されておらず、導入したい部門の中で費用のやり繰りをしなければならない。また何をもってサイネージが成功したといえるかもわかっておらず、体験しながら目標を定め、成功事例を作って横展開していくことになる。

この場合はレンタル契約にすれば、販促費用の一部として毎月支出し、内容も現場主導で試行錯誤ながらブラシアップしていき、半年、1年、といった期間を経て振り返えることで、サイネージの全社的な展開の企画が作れるようになるだろう。

その後のまとまった導入がレンタルになるかリースになるかはわからないが、例えば売場の模様替えや引っ越しが予定されているならばレンタルの方がよいかもしれない。つまりレンタルは流動的な環境やフレキシブルな展開に、よりフィットする方策だといえる。レンタルでも中途で解約すると、一旦清算するためのお金が発生するが、それは解約までの期間のレンタルに計算し直しているだけで、借りても居ない分のお金を払うわけではないからリースよりは得になるはずだ。

 

今の販促メディアの現場との距離関係を考えると、昔から完成されているメディアとして、印刷物のポスター・パンフ、販促ビデオ、Web・モバイル、POP という順に現場に主導性が高まっている。印刷やビデオというメディアは現場からは遠かったものが、現場にデジタルサイネージという表現の場が与えられると、それらのコンテンツを現場の感覚で再活用できるようになり、現場の持ち駒が増えたことになる。

いくらデジタルサイネージがレンタルで容易に導入できるようになっても現場に使う気が起こらなければポスター・看板と変わらないのだが、手描きのPOP制作を通じて現場のモチベーションが高まるようなところならば、印刷やビデオ・Webの素材をデジタルサイネージに展開しながら、より現場力を高めることできるのではないだろうか。

 

過去においてはサイネージの導入のための組織的な対応としては年単位の準備が必要で、そんな中で現場の動機づけやチャレンジも置き去りにされてきたきらいがある。それとは逆に携帯電話と同じ費用項目で経費処理できるレンタルなら、現場のヤル気に応じて導入して、工夫させて活用力を高めながら、台数も増やしていける。なにしろ毎月の販促を考える段階で真っ先に活用できるのがデジタルサイネージであるのだから。

2018.5.4

最初の1台

もしデジタルサイネージがタダで導入できるとしたら、どう使いますか? というようなことを、街のお店に唐突に投げかけてみたら、どういう反応が得られるだろう? おそらく役に立つような使い方が思いつかないから、今は遠慮するところが多いだろう。その意味ではデジタルサイネージはLED文字の電光看板やコルトンフィルムの電飾看板よりもとっつき難いものではないだろうか?

逆に、そんな使い方の判らないものを売っているメーカーがいろいろ存在することの方が不思議だ。売る方はうまく使っている会社の事例を挙げて説明していると思うが、うまく使えている要因はなかなか伝わらないのではないか。だいたい商売がうまくいくところは、バランスよくいろんな能力を持っていて、またサイネージを導入するとなると、そこで新たに必要となる能力も調達することができる会社である。これはWebやモバイルの活用、店舗レイアウトの最適化、メニューの刷新など、何に於いてでもうまく人材再配分ができる管理能力の高い会社といえる。

 

とっかかりとしてのサイネージ

 

そういう完成した会社とは対極的に、現状のいろいろな課題を何とかしたいと思っているところが多くある。しかしそこには販促の担当できる人が居ないか、忙しすぎて今以上の事ができないでいる。デジタルサイネージ以外にも販促メディアはさまざまあるものの、費用面以外にも準備の手間暇で着手するのが難しいとしたら、デジタルサイネージの特徴は、簡単に情報発信ができること、簡単に変更・更新ができることがウリにできるはずだ。

冒頭のタダでのサイネージの設置は難しいとしても、もし準備の手間暇がかからない目途がつくなら、とりあえず安いサイネージを導入して、試行錯誤しながら他の販促メディアよりも経済的に販促力を高めていくことができるだろう。

手間暇をかけないとはいっても最低限の準備はしなければならない。それは商材に関するものと、ビジネスのタイミングに関するものである。つまりそれらの用意があれば、まずサイネージから初めて、他の販促メディアにも展開していきやすいだろう。

 

例えば弊社サイネージネットワークに導入の相談を持ちかけていただくなら、商材に関しては今使われているカタログ・チラシなど主要な印刷物、ロゴマーク・商品写真などのなるべく品質の高いもの、またタイミングに関しては、年間の販売計画やキャンペーン・イベントのサイクル、などがベースの資料としていただけるとスムースに進む。またこれからどんなことをしたいかを伺えれば、毎月のテーマを予測することができる。これは販促カレンダーを作るようなカンジである。

販促カレンダーとは、例えば朝日オリコミのサイトには月別のものがあり、前年データとして、天候、出来事、行事が記され、新聞折込広告の会社なので日別の1世帯平均枚数実績までも載っている。また、今年予定されている行事、記念日があり、販売の重点テーマとして、例えば6月の父の日ではどのような商品に動きがあるのかも載っていて、自分の会社の販促プランの参考にできるようになっている。 販促カレンダー6月分

こういったものは業界別などさまざまなものが作られているので、自分に合ったものを選んでいただいて、制作側と共有していくと話し合いも行いやすい。

 

まずは漕ぎ出すことから

 

サイネージネットワークのような制作会社では、商材の素材と販促テーマさえいただければ、その先のレイアウト・デザイン・ビジュアル化に進めるので、デジタルサイネージの最初の1台に漕ぎ出すことができます。はじめのうちはコンテンツ制作に費用のかからない、既存の写真やカタログイメージを使いまわして、従来の販促をサイネージでも再現するところから始めたとしても、そんなサイネージを身近なところに置いて日々接することによって、『もっと、こうしたい!』という新たな方向性がきっと出てきて、販促意欲が高まってくると思います。その想いを毎月少しづつ表現していけば、その積み重ねがオリジナルな販促活動になっていくでしょう。

サイネージネットワークでは、以上のような準備に負担がかからず廉価なデジタルサイネージのスターターキットのサービスを近いうちに始めようと計画しています。

 

2018.4.27

見えない用途

デジタルサイネージを設置する目的はお客さまに何らかメッセージを伝えるためであることが多いが、その他に社内の情報共有など外部の人からは見えない用途もかなりある。情報共有に関しては組織的にグループウェアが使われていたり、メールで一斉同報されるとか、ネットでのアプリというものなど、いろいろな手段が使われているにもかかわらず、あまり見られていないという現実もあり、これで十分というものは無い。それで昔ながらの掲示板というのも捨てられないでいる。

社内掲示板を撤廃するために投資してデジタルサイネージを導入してもらえるとは考えにくいのだが、複数個所に同じ内容を掲示したい場合には電子ディスプレイは有用だろう。ただコンテンツに手間暇をかけることはできないので、情報共有アプリの画面を大きくして映し出すとか、プリントのPDFを表示させるようなことになろう。

掲示板に載せる情報は種々雑多なので、だれがどうコントロールするかは難しい問題だ。PCとかカメラ(含む監視カメラ)が4種程度なら、HDMI切替機のようなものでローテーションさせることはできる。

業務上欠くべからざる事柄のためには、朝礼とか、各部署での朝のミーティングなども行われている。これをサイネージのボードの前に集まって行って、やはりPCとかWebとかの情報を見ながらフェーストゥフェースで情報共有するためにも便利である。この場合もミーティングで使う情報を事前にどこにどうセッティングしておくかが課題になる。

デジタルサイネージによる情報共有は店舗などで、個人の机はなくてパソコンも見られない職場環境では、非常に有益な方法になる。開店前や閉店後のミーティングとして、あるいはアルバイトやパートに仕事を覚えてもらうためのマニュアルとして使われることがある。器具の使い方や、閉店後にどのように掃除し片づけるのかといった事柄をあらかじめビデオ化しておいて、毎回繰り返して見ることが出来るようにすれば、言葉の通じにくいアルバイト君にも伝わりやすいだろう。

サイネージを多目的に使う場合に、すべてコンテンツ制作が必要になると、頭を抱えることが多くなって、実際には取り組めなくなる公算が大きい。しかしコンテンツ制作しなくても、前述のようにPCやWebなどの異なるソースの切り替えをするだけなら、千~何千円のHDMIセレクターで済んでしまうかもしれない。

この考え方を応用すれば、午前午後の休憩時間のリフレッシュとしてテレビ体操を放映するとかもできる。学校で教室の利用予定の表示のついでに学内ニュースを伝えるのなども、システム化されたスケジュール管理をPCから表示する出力とは全く別系列にニュースを作ってよいので、取り組みがやり易い。

さらに商業的なサイネージに於いても、通行人が近くに居ない時にはロゴなどあまり変化のない看板的な表示をしておいて、人が近付いてきたら切替えてもっと動きのあるものを表示させて、「おやっ!」と思わせるようなこともできる。これは焦電センサーとか人感センサーというもので可能になるのだが、こういった小物の使い方はまた別の機会に紹介したい。

2018.4.20

アナログビデオとデジタルビデオ

デジタル放送やデジタルビデオに囲まれた現代人はデジタル映像に眼が慣れてしまっていて、アナログ時代のような画質差を云々することはめっきり減ってしまった。しかし何かの理由で古いアナログビデオを見ると違和感を覚えてしまうし、それらと今日のデジタルビデオソースを一緒に扱わなければならなくなると困惑するものだ。それはアナログビデオよりもデジタルビデオの方が画質がよいと思われる場合が多いからだが、実は必ずしもデジタルの方がきれいなわけではない。
テレビ放送の国際規格を決める委員会をNTSCといい、アナログのコンポジット信号としてもおなじみの名前であった。ここで色域とかガンマなど映像の規格も決められていて、昔のブラウン管テレビに走査線が並んでいた画面は【BT.601】といい、今日のパソコンやスマホのRGBであらわすと、0-255の間の16-235までしか使っていない。だからアナログをデジタル化したものは非常に明るいところや非常に暗いところには情報がないままになってしまって、明度が中心に寄った締まりのない映像になってしまう。これをちゃんと補正するとデジタルに見劣りないものになる場合がある。

 

そもそもパソコンで広く用いられている【sRGB】というカラースペースは、アナログなNTSCの色域の72%をカバーするものと定義されていて、アナログのNTSCの方が鮮やかな色情報を持ち得る規格なのである。しかしアナログビデオを新品の磁気テープに保存して再生すると、最初はバッチリきれいでも、アナログ記録では再生を重ねるごとに画質が劣化していく。一方映像をデジタル信号にして保存すると、0か1かの組合わせの情報は変化せずにいつも同じなので、テレビカメラがデジタルなら、そこで得られた色信号は、視聴者の画面表示までずっと変わらないことになる。つまり色に関するカメラの特性と画面の特性が合っていれば、被写体に照明された色を視聴者が見ることが出来る。これがいわゆるデジタルの鮮明さの理由である。
この【sRGB】は【BT.709】というハイビジョンの規格に合せているので、パソコンとデジカメのjpgなどとハイビジョンはほぼ似た世界になっている。これがRGBを0-255の間の値にしているので、アナログビデオはそのままでは使いづらいことになってしまった。

 

印刷の世界ではカラースペースは【AdobeRGB】というのが使われていて、これは【sRGB】よりも緑方向が広く、NTSCに近いもので、デザイナさんや製版印刷関係の方にはおなじみなので、今のグラフィック制作の中心にもなっている。だからAdobeのグラフィックソフトを使っている方は、あまり意識せずにデジタルビデオとかデジタルサイネージの仕事もしているし、両者の差であまり問題になることは実際にはないように思う。
アナログの時代の家電売り場では、テレビの色味は機種やメーカーが異なっていると差が出ていて、どれが綺麗?という売り方/買い方があったのだが、デジタルではどこもだいたい似たものとなったのは、放送や家電では個々のシステムの色合わせの土台となる規格が築かれてきたからだ。かつてはWebでの通販の商品の色は信用できないのが相場だったのが、今ではスマホでアパレルが売れる時代である。これがデジタル化の大きな恩恵で、一度作成したビデオソースがいろんなことに使えるようになった。

 

しかし、このパソコンとデジタルビデオとグラフィックソフトの蜜月ともいえる関係は、今後ずっと続くものかどうかはわからない。それは4k8k時代の色の規格は【BT.2020】という【AdobeRGB】よりも色域が広いものが標準になっていて、「自然界に存在する色はほぼカバーしている」といわれている。4k8kは単にデカいだけでなく、色の世界の革新にもなり得るもののようだ。だが現状ではカメラから編集システムからプロジェクターを含めた再生環境まで完全に【BT.2020】に対応しているわけではなく、既存の機器やシステムも使いつつ4kのデモが行われているので、【BT.2020】の真価はまだ見ることができないのだろう。

参考:放送・シネマ最新規格ITU-R BT.2020
http://cweb.canon.jp/v-display/lineup/dp-v2410/feature-performance.html

参考:4K・8K超高精細度テレビジョン放送の標準化動向 – 日本ITU協会
https://www.ituaj.jp/wp-content/uploads/2016/01/2016_01_10_spot1.pdf

2018.4.13

画面が大きいと何がいい?

この10年のデジタルサイネージを振り返っても、32型→40型→55型と大型化する傾向にある。さらにマルチでその3倍4倍も簡単に設置できるようになってきた。映像ソースも4k8kに向かうのだろうが、こちらはコンピュータでCG制作するならよいのだが、カメラから編集までのところはまだ手ごろな価格にはなっていないので、相当予算のつくところでないと導入はできていない。

そもそも画面を大きくするのは何のためだろうか? 迫力? 目立つから? これにはちゃんとした研究開発の積み重ねがあって、むやみに映像のスペックを上げてきたのではないことがわかる。論文としては、「高臨場感を生んだハイビジョン画面効果の研究」(https://dbnst.nii.ac.jp/pro/detail/241)に事の起こりが書かれているが、要約すると次のようになる。
HDTV(High Definition Television)は1960年代に次世代テレビの研究としてNHK放送技術研究所で始まり、1980年になると前述の研究によって、テレビの画面を横方向に大きくして広い視野で映像を見たとき、画面内の映像から受ける心理的な感覚・知覚量が大きくなって表示された映像空間に引っぱられるような効果、即ち臨場感効果が得られることが明らかになった。
これは誘導効果と呼ばれた。当時シネラマという3本のフィルムを横につないで撮影・映写するものがあって、崖っぷちに人が立つ映像を見ると身のすくむ思いがするような臨場感があった。

これを数値的にとらえる実験が当時アナログな方法で繰り返された。画面の左右両端を見込む視野角が20度を超えると次第に映像の空間に主観的な座標が誘導されるようになり、前述のように映像の空間に入ったような感覚、つまり臨場感の効果を心理物理量として捉えた。これをもとにHDTVはこの効果が顕著になる視野角30度を、望ましい観視条件とした。この理屈は今の8kにも引き継がれている。画面の縦横比は映画の縦横比も考慮して9:16 に国際統一された。

画面両端の視野角が30度での視距離は、画面の高さの3.3倍となり、画面高さを75cmとすると、2.5mになる。視力1.0の人の視覚の分解能は1分といわれていて、それを越える縦画素数としてHDTVの縦は1080にされた。横画素数は計算すると1920となる。

4k8kはHDTVの延長上に、さらに視野角の広い映像を提供するもので、それによって誘導効果が高まる、つまり臨場感がマシマシ・モリモリになることを狙っている。だから画面が大きく高解像になっても、遠くから眺めていたのではその効果は発揮できず、映画を前列で観賞するような視聴環境に変えなければならない。

 

これに関連して比較すれば、ビル壁面のLEDビジョンは確かに大画面だが、人は離れて見ているので 視野角は広くならない。つまり臨場感を出すことを狙っているものではない。単に街角で目立つことで目的は達成されるのだろう。

屋内のデジタルサイネージを大型ビジョンにするには設置の困難さを伴うというか、結構邪魔扱いされたりするものだが、裏腹に大画面を近くでみるということで臨場感・没入感をだすようなコンテンツには向いているということになる。その意味で屋外の大型ビジョンとはコンテンツ制作の考え方は異なる面がある。