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2018.7.13

どのディスプレイがきれい?

サイネージネットワークでは43型デジタルサイネージとスタンド+STB+通信がすぐに使える状態になったセット『ミセール』を月額17,300円(税別)でレンタルしていて、期間は2年を想定している。しかし過去の経験から実際に2年で使えなくなる液晶ディスプレイは殆ど無いと思うので、廃棄するのでなければまた2年くらいは使い続けられるはずである。どこまで使えるのかは、個体差や使用条件によって変わるだろうが、劣化するとすると液晶のコントラスト低下とか、LEDの輝度低下が考えられる。だからディスプレイの第二の人生は、例えば従業員向けに通路とか休憩室とか、以前よりも薄暗いところで過ごしてもらうのがいいのではないか。最初のデジタルサイネージはお客様の前に出る役を担っていても、何年かするとサイネージの用途も広がって、社内の情報共有にも使われるようになっているかもしれない。

リースやレンタルで2年間経つと減価償却はされているのでタダでもよさそうだが、業者としては検査とか保守作業もあるので、中古価格1~2万円で放出することもある。だから社内のテスト用などにこういう安いディスプレイを使ったらどうかという話もある。しかし画質の劣化以上に古いディスプレイはインタフェースの規格が異なってしまっていて、今市販のものとは同等には扱えない場合もある。

 

以前に『あると便利な小物』で、ディスプレイのインタフェースである VGA、DVI、HDMI、DisplayPort の違いと変換について簡単に紹介した。これは一種の技術の進化を反映したもので、後で登場したものほど高機能化しているのだから、新しいパソコンやSTBに古いディスプレイがフィットするかどうかという問題がある。

デジタルサイネージは1920×1080のフルHDが基準のようなものなので、何年前でも同じように思うが、新しいものはアナログVGA接続ではないし、144Hzとか高いリフレッシュレートにも対応している。パソコンから送り出す1920×1080の映像信号が同じでも、アナログVGAはケーブルが長いとか質が悪いと画像が劣化する可能性がある。アナログVGAとは形状がD-subで15pinのVGA端子が使われ、おそらくどの古いディスプレイにも接続できるのだが、逆に新しいパソコンやSTBにはついていない場合もある。


デジタルインタフェースになったものがDVI-DとかDVI-Iで、これを基に作られたHDMIとか、将来を見越して開発されたDisplayPortとはデジタル信号の互換性があり、相互に変換するアダプターが売られていることを以前も書いた。

 

ではデジタルのインタフェースでどれがきれいか、ということを聞かれたことがあるが、デジタルならどれでもディスプレイに届く映像信号は同じなので、違いはないはずだ。しいて言えばリフレッシュレートが高い方が動きのある映像を滑らかに表現できるので、そこに差があるかもしれない。ちなみにゲーマー様達はフルHDで144Hzのものを使っておられるそうだが、静止画に近いデジタルサイネージでは何かいいことがあるかどうかはわからない。
要するに信号の伝送という点では画質の問題はない時代になっている。将来は4K8K対応を考えて規格も進化するのだろうが、現時点では1台のサイネージを使っている場合に、HDMIとDisplayPortのどっちがどう違うというほどの差もない。ただ以前書いたマルチディスプレイのしやすさとか、そういった機器との相性の問題はあるので、マルチの場合は実現方法とパネル選びがセットで行われている。

 

実はデジタル信号の伝送については、ディスプレイに限らず、LANとかUSBも含めていろんな規格があるのだが、この間にだいたい似たような原理・方法に収束しつつある。USB3.1が使えるUSBType-Cというのが最近使われ始めているが、これはHDMIやDisplayPortとして使うモード切替の機能があって、これまであったいろいろなデジタル信号伝送を包含してしまう可能性をもっている。それはLANもUSBもHDMIもDisplayPortも線の中を剥き出してみれば、同等の構造をしているからだ。

USBType-Cでは、それらの上を行くThunderboltという規格に対応しようとしているので、全部を賄えることになる。これは通信の配線と通信プロトコルを分離したようなもので、USBType-Cによって配線の共通化をしようという目論見だろう。もしこれが何年かのうちに普及すれば、ディスプレイのインタフェース問題もなくなってしまうかもしれない。

 

2018.7.6

動画のフォーマットは変換がたいへん

前回の『サイネージを身近なものとして使いこなす』では、Windowsフォトストーリーで作ったWMVビデオファイルが、mp4などに変換するのに苦労するということを書いた。一般に動画ファイルを授受する場合には、movだ、flvだ、mpgだ、ということで話しがわかったような気がするのだが、それが動画編集の鉄壁であるAdobePremiereでも開かないことがある。うちあわせをする相手が動画フォーマットのことを良くわからずに話している時は多いので、受け取った側で詳しい人がツールでフォーマットの解析をして、使える・使えないの判断をしなければならない。

それほど動画フォーマットが分かりにくいのは、ファイルが何重かの構造になっているからで、mp4だ、flvだ、mpgだ、wmvだというのは動画を運ぶための入れ物を指すに過ぎず、その中に音声と映像の情報が入っていて、これは下の表のように入れ物が異なっても同じ規格であるとか、逆に入れ物が同じでも異なる規格である場合がある。

この音声と映像の記録・再生のものをコーデックといい、ファイルを受け取った方に該当するコーデックが存在しないと再生ができない。Windowsフォトストーリーのwmvの場合は、音声の規格がWindowsMediaPlayerでしか再生できない独自なもののために、『開けない』とか『変換できない』ことになる。それでWindows系のソフトでこれを扱えるアプリを探して、独自の音声の部分を入れ替えれば変換できるようになる。

 
拡張子 よみ 音声 映像
MP4 .mp4/.m4a エムピーフォー AAC/MP3/Vorbis H.264/MPEG-4/Xvid
MOV .mov/.qt エムオーブイ AAC/MP3/LPCM H.264/MPEG-4/MJEG
MPEG .mpeg .mpg .vob エムペグ AAC/MP3/LPCM MPEG-2/MPEG-4/MPEG-1
AVI .avi エーブイアイ AAC/MP3/LPCM H.264/MPEG-4/Xvid
AFS .asf .wmv エーエスエフ MP3/AAC/FLAC H.264/MPEG-4/Xvid
WMV .wmv .asf ダブリューエムブイ WMA/MP3/AAC WMV9
WEBM .webm ウェブエム Vorbis/Opus VP8/VP9
FLV .flv エフエルブイ MP3/AAC/ADPCM H.263/H.264/VP6
MKV .mkv エムケーブイ MP3/Vorvis/LPCM H.264/MPEG-4/Xvid

ちなみに、Windows環境で短い動画加工の場合はaviファイルを使うことが多い。Macならmovが主流である。両者はフリーの加工ソフトも対応している。これらは低い圧縮率で使われる。逆に最終商品に使われるものは高圧縮率のmp4、wmv、flvなどになる。高圧縮のファイルから取り出した映像はどうしても品質が落ちるので、できれば編集途中のavi、movから加工することが望ましい。

 

他のフォーマットでは、MPEGはDVDに使われ、FLVはストリーミングに使われることが多かったが、今ではストリーミングもmp4が多くなった。

コーデックではデジタル放送にも使われているH264が主流になっていて、いろんなフォーマットでも使われている。名前も別名がいろいろあり、MPEG-4/AVCというのもコレである。

これから広まるかもしれないのが、Windows10から対応しているMKVで、従来のフォーマットに対するいくつかの改善がされている。またGoogleのChromeブラウザ向けのものがWEBMといい、パソコンやモバイル機器にインストールしてあるコーデックとはちがって、プラットフォームの如何を問わずに再生できるので、ネット対応としては伸びていくかもしれない。

 

現在ビデオ編集のプログラムでは読めないフォーマットでも、ネット上にはフォーマット変換のフリーソフトもいっぱいあるので、いろいろやってみることで解決することも多い。しかしある程度知識が無いとうまくいかないかもしれないし、だいたい数秒のクリップが必要なのに何十分のビデオを変換する手間もバカバカしい気がすることがある。そこで奥の手としては、一度画面に再生させておいて、HDMIの信号から必要部分だけをデジタルキャプチャーして使うという方法である。よくPSや任天堂のゲームをやっている様子をビデオ化しているのがあるが、アレである。これについては改めて別にとりあげたい。

2018.6.29

サイネージを身近なものとして使いこなす

大型商業施設にあるデジタルサイネージはテレビのコマーシャルのような動画を流していて、おそらく他の映像広告の流用ではないかと思う。こういったきれいなモデルさんやプロのカメラマンに依頼しなければできない映像は、店舗の日常活動の範囲でできるものではない。しかし環境映像ぽいものや、静止画・写真をゆっくり動かしている動画は、お店の予算の範囲で出来る可能性があるし、もし写真に興味のある店長やスタッフが居れば、たまには自分でやってみることもできる。

WindowsXPの時代に、絵本の読み聞かせをパソコンのプロジェクタで行うために、絵本をスキャンして、各ページの中をスクロール(パン)・ズームして、スライドショーのように展開するものを、Windows Photo Story というMicrosoftのフリーソフトで作ったことがある。
これは大変便利なソフトで、覚えやすいし、仕上がりもなかなかのものだったが、WindowsがXPから7,8へと変わっていく中で使えなくなっていた。ところがWindows10になって、このPhoto Story 3というのがまた使えるようになっているという。どこかのだれかがYouTubeにアップしているものを参考としてあげておく。

 

名前は「Microsoft Windows フォト ストーリー 3」になっているようで、Windowsユーザーであればここでダウンロードできる。写真をスライドショーにしてテロップ(キャプション)やBGM(ナレーション)をいれる一通りの機能は揃っているが、写真のレタッチはPhotoshopなどの専用ソフトの方がやりやすいだろう。むしろ完成された写真をベースに、スライドショーの展開を作りだすのが得意なソフトだ。

Windows用のフリーソフトということで、Windows Media Player で再現することを前提に、最後はWMVというビデオフォーマットで動画ファイル保存をする。そのために他のところで使うにはmp4などにフォーマット変換をしなければならないが、ここで作られるWMVは特殊なもので、一般にはmp4には変換できない。そのために一旦ウィンドウズムービーメーカーなどでBGMの入れ直しをしたWMVにしてからmp4への変換をすることになる。要するにこういったWindows世界に相当首を突っ込まないと使いまわしのできる動画にならない点がフォト ストーリーの普及を妨げていると考えられる。

 

また当然ながらAdobePremiereのような凝ったことはできず、単にJPEG、ビットマップ、GIFなどの静止画しか扱えないが、その点が簡便さをもたらす大きなメリットでもある。基本機能はスライドショーであり、個々の写真に文字を好きなフォントで入れられて、ナレーションや効果音を録音することもできる。

「パン」や「ズーム」は[アニメーションのカスタマイズ]という機能でPhotoshop のアニメーションと同じように最初と最後の位置を指定して設定する。

トランジションに相当するのは[切り替え効果]で、写真と写真の切り替えの「フェード」や「スライド」「ページカール」などの約50種類のトランジションが用意されている。

保存は他の動画編集ソフトと同じ様に、[プロジェクトの保存]と、Windows Media ビデオ ファイル(WMV) の書き出しとがある。ビデオファイルでは修正はできないが、プロジェクトファイルがあることで、後々写真を文字の変更が容易になる。

全体として素人が作ったようなフリーウェアよりはずっと安定感のあるソフトに仕上がっている。

 

文字や図形をアニメーション化するにはPowerPointが使われているが、こちらはPowerPoint2013頃からは標準でmp4出力、オプションでwmv出力になっている。

ただしPowerPointのアニメーションとは、文字や図形要素に何らかの動きを付加するだけのものなので、Adobe Flashやその後続のAdobe Animateと比べられるようなものではない。だから頑張って使いこなそうなどと思わずに、単に文字やグラフを動かすくらいに考えておいた方がいいだろう。

これら、単なる静止画からちょっと動かす程度のツールはいろいろあるので、現場でビジネスに合わせて内容更新の対応が必要な部分は、社内の誰かが出来るようになっていれば、サイネージはうんと身近な表現ツールになる。