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2019.3.15

大は小をかねない

デジタルサイネージというと構えてしまう方がおられる。今までもこのブログで取り上げてきたように、設置とか運用管理とか更新とかいろいろ対処すべきことが山積みだと感じるのかもしれない。一方でデジタルサイネージなどという言葉は知らずに、40インチ以上の液晶パネルを買ってきて自分の店舗内にとりつけて、自分で撮ったビデオを流しているDIY派もおられる。デジタルサイネージがある層から下にはなかなか浸透しないという見方もあるが、後者のようにDIYサイネージの方にこれからの普及のカギがあるようにも思える。

そもそもポータブルDVDプレーヤーやデジタルフォトフレームなどは当初から店頭の商品棚でPOPとして使われてきた。今では電子popという言い方もされるが、サイネージの一種に分類されることもある。これら7インチクラスのものは、もとはカーナビ液晶の流用のような気がするが、タブレットの登場とともに次第にきれいになって、画角などもテレビの世界から発達した液晶と同じようなものとなって、コンテンツが共通に使える時代である。

 

この、中間にデスクトップパソコンの20インチ内外のディスプレイというのもあるが、あくまでパソコン側で処理したものを映すだけで、メディアプレーヤーを内蔵した液晶パネルというのはあまりなかった(一部電子POPの大型化したものとしてはあった)。しかしこのクラスが第3のサイネージとして新たな需要を起こすかもしれない。それは設置する場所が多く見出せるからからである。
大型液晶の場合は壁に取り付けか、スタンドを利用する場合が多い。壁の場合は簡単な工事が必要になるし、移動はさせにくい。スタンドは移動できるが、狭い場所では見えにくいとか、人にぶつかる可能性もある。というようなことでちょうどいい設置場所を探すのに苦労をする場合がある。

例えば商業施設にテナントとしてお店が入っている場合に、掲示のスペースは限られてしまうので、40インチのディスプレイなどは置けない。また背面もすでにきっちり隙間なくデザインされてしまっているので、無理に背面にディスプレイをつけると店舗デザイン的にもまずいだろう。

こういう場合は、記事『インスタグラムで超簡単サイネージ』でとりあげた約50cm角の正方型ディスプレイあたりが使いやすいだろう。この製品は元はデジタルカンバスというコンセプトで、油絵のカンバスよりも若干薄い筐体にすることで、油絵の額装に収められるようにしているものである。

当然下の写真のように額装なしで使ってもよく、壁掛けの金具もあるし、スタンドも小さいイーゼルを使えるし、ショウケースの上にも置けるだろう。壁にあるお店のロゴ看板の代わりにしてしまうこともできる。

これらもアプリを使ってクラウドから配信すれば、あちこちの多くのテナントになっている場合でもコンテンツが一元管理できる運用になる。

2019.3.8

今年のトレンド? レーザープロジェクター

サイネージネットワークでも中小規模のレーザープロジェクターを扱います。昨年くらいからプロジェクターの各社が中小会議室でも使える規模の製品を出してきていて、いよいよプロジェクターはレーザーの時代を迎えたように思います。今までレーザープロジェクターは大講堂・ホール・プロジェクションマッピングなど大規模なところで使われてきましたが、教室規模で何千ルーメンという製品が増えています。

 

この分野はすでにランプを使った製品が普及していますが、カタログ寿命で2000-3000時間の寿命であるために、しばしば買い換えておられた方も多いと思います。これでは営業時間につけっぱなしにするようなサイネージ向けには安心して使えません。ランプはいつ何時突然キレるかもしれませんし、交換にも万というお金がかかります。営業中の昼間にランプ交換とかメンテナンスはやってられませんから、人がつきっきりの会議室などに使用が限られるのは仕方なかったかと思います。

 

レーザープロジェクターはLEDなのでランプに比べて発熱も少ないし、寿命も一桁長いことを謳っています。だいたい2万時間とカタログには書かれていますが、ランプ方式が電源onしてからしばらくたってジワッと画像が浮かんでくるのと異なって、レーザーでは瞬時に画像が出るので、まめにオンオフをすることができ、つけっぱなしのランプよりもさらに寿命面では有利のはずです。2万時間というと何年間かはもつだろうなと想像できます。

 

さらに近年増えている超単焦点のレーザープロジェクターでは、どこにプロジェクターが置いてあるのかわからないような設置もできて、商品が多く陳列されている売り場でも商品棚の下の方から壁に投影するように、使いやすいものとなっています。大型液晶パネルのデジタルサーネージでは狭い通路に置くわけにはいかないとか、人がサイネージ当たって転倒するかもしれないという気遣いもありますが、棚の中にプロジェクターを仕込んでしまえば安心でしょう。

また、ショウウィンドゥなどに投影する場合に、何も投影しない時はガラスが透けて見えてほしい場合がありますが、それには液晶のフィルム状のスクリーンを使います。これは電源ON/OFFで透明と乳白切替が可能なフィルム素材で、フィルムタイプのため薄く、軽く、曲線への使用も出来ます。既存のガラス面には貼りつけ工事が必要ですが、フィルムが幅最大1200mm x 3400mmMAXの範囲で任意の大きさにできます。例えば人通りの多い場所のショウウィンドゥなので営業時間外も広告メディアとして使いたいといった時にはお勧めです。

 

2019.3.1

広告は好意にみてもゼロサムではないか?

電通の『2018年日本の広告費』が発表された。国の統計がいろいろ議論されている今日ではあるが、この広告の統計も調査方法が暫時変化してきているので、数字の細かい点を通年で比較してどうとかは言いにくい面がある。今年も全体では、

『●日本の総広告費は、6兆5,300億円(前年比102.2%)となり、7年連続のプラス成長
●インターネット広告費は、1兆7,589億円(前年比116.5%)、5年連続の二桁成長となり、地上波テレビ広告費1兆7,848億円に迫る
●マスコミ四媒体由来のデジタル広告費※は、582億円(新設項目)』

とまとめられていて、元気な印象を与えるように作られている気がする。それは悪いことではなく、主体である4マス広告の沈下をオブラートに隠すのにインターネット広告を使っているように思える。それほどインターネット広告は伸びているということなのだが、そもそもインターネット広告の把握の仕方が曖昧で、ある意味どのような数字も作れる。一例ではECサイトで物を売るとなると、サイト内の仕組みを使ってプロモーションができる仕掛けが有料で提供されているが、あれは広告費に参入されていない気がする。今後もいろいろなネット上の広告を加えていけばまだまだネット広告は伸ばすことができる。

 

それはともかく、サイネージや映像は、『プロモーションメディア広告費』にカウントされている。

何とほぼ前年どおりで伸びはなく、内訳としてみると紙メディアが下がった分だけ映像系が増えたということかもしれない。その点ではやはり広告という視点ではゼロサムなのかなと思う。ところがそれ以上にサイネージの設置は増えている。

 

実際交通系は車内も駅周りも着実にデジタルサイネージの設置は増えているのだが、それは実は広告のためだけに推進しているのではない。事故などの際のダイヤの乱れを伝えるのに、従来は改札近辺の白板に書いていたことが、駅回りのサーネージにも出せるように変わりつつある。それもスマホに提供されている運転見合わせ区間の表示などが駅でも連動して表示できるような、インフラの整備が行われつつあることがわかる。

記事『案内システムのカオス』では、メトロの例をあげて、運行情報のサイネージには広告を出さないというものを紹介したし、丸の内界隈でも防災を考慮したサイネージは、いわゆるビル壁面や屋上の完全広告モデルとは異なる運用をしている例を挙げた。ツーリストガイドのサイネージも広告は載せてはいるが、経費の足しになればよいということで一定の場所や時間を広告に割り当てる例がある。どうも広告ビジネスとしては中途半端にならざるを得ないのが現状のサイネージのように思える。

 

今のところ広告が先導してサイネージが広まることができるのは、設置場所やクライアントをすでに抱えているという条件があってこそできることで、先にディスプレイを設置すれば広告が自然についてくるようなことにはなっていないということだろう。広告業界にとってもデジタルサイネージは、ポスターのように掲示すれば終わりというわけにはいかず、更新できることのメリットを出すには、今までにない努力とコストがかかることにもなるので、あまり身が入らないのかもしれない。