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「2018年5月」の一覧を表示しています。

2018.5.25

軒下のサイネージでも防水を!

サイネージネットワークは設置や設備まわりのお仕事は専門業者のキラカスタムサポート株式会社(URL http://kirasapo.jp/)にお願いして、一緒に打ち合わせに行ってもらったり、お互いに相談して提案をすることを行っている。設置に関しては店の外にデジタルサイネージを置きたいというところが多いので、屋外設置の事についていろいろとお話を伺った。
室内ではパソコンに大型モニターをつないだだけという使い方でサイネージを使っておられるところもある。この写真ではモニターの後ろにパソコン本体とキーボードとマウスとテーブルタップが押し込まれていて、大丈夫かと思ってしまった。当然屋外はこれではダメだが、軒下などの半屋外、またドア横の通路などでも、器具が外れたり線がひっかかったりすると具合悪いだろう。電源線もせめて配線カバー(モール)はつけたいものだ。

さて、本題の屋外設置に関しては、経費的にも大変そうだ。液晶パネルよりも、風雨に耐えられる筐体の方がおおげさだからだ。しかしそれも幾分スマートになってきて、下の写真はDNPの以前の屋外用サイネージと、今都バスなどに使われ始めているものの比較で、新しい方は奥行きが15cmくらいになっている。

防水・防塵の保護等級

筐体が大げさになるのは、国際電気標準会議にて標準化されているエンクロージャによる保護等級(Degrees
of protection provided by enclosures(IP Code)/IEC 60529)にあてはまるものを使わなければならないからだ。これは一般に「IP68」とか表示されるもので、その意味は防塵等級6級、防水等級8級になる。日本では「JIS保護等級」でもあり、JIS C 0920として、防水や防塵の程度について家電品のカタログや説明書などで使われている。

等級の意味は、少し古い表現の方がたとえがわかりやすいので引用すると、次のようになる。

防塵等級(6段階)
0級:特に保護がされていない
1級:直径50mm以上の固形物が中に入らない(握りこぶし程度を想定)
2級:直径12.5mm以上の固形物が中に入らない(指程度を想定)
3級:直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
4級:直径1mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
5級:有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形)
6級:粉塵が中に入らない(耐塵形)

防水等級(8段階)
0級:特に保護がされていない
1級:鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
2級:鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形)
3級:鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
4級:あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)
5級:あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
6級:あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
7級:一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)
8級:継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)

デジタルサイネージでいえば、IP54とかIP55があり、IPに続く「5」は防塵5等で、有害な粉塵が中に入らないことをあらわし、次の「4」とか「5」が防水等級で、「飛沫の影響がない」とか「かけ流しの影響がない」となる。サイネージではIP56はないそうで、前述のDNPのものでもIP55相当としている。

温度管理

このように防塵防水で密閉された筐体では、内部の機器からの発熱やら、直射日光による温度上昇があり、内部温度が数十度以上になるとCPUやLSIが気絶することがある。また冬に外部がマイナス十数度になると液晶が映らない。そこでこういったケース用の小さなエアコンをつけて内部の温度を一定に保つっている。そのために月に1回はエアコンのフィルターを掃除するようなメンテナンスが必要になる。ちょうど自動販売機のメンテと同じでホコリをはたくくらいのことを屋外設置ではしなければならない。

直接日光があたらない半屋外の設置でも、室内利用に比べると明るさが足りなく感じるのは、バックライト光源のLEDが小さいとか数がすくない屋内型を使った場合だ。デスクトップパソコンやノートPCの液晶ディスプレイでは、画面の上下とか左右の辺にあたるところに光源がある。40型のモニターでも室内用の400-600カンデラのものは同様のエッジ型LEDであるが、屋外用の2000カンデラクラスでは直下型という画面の全面にLEDが数百個並んだものが使われて、明るさを出している。これ以上の明るさを求められるとRGBカラーLEDがびっしり敷き詰められた「LEDビジョン」にする必要がある。

屋外用はこのように光源の電力が大きいものになり機器の発熱も多くなるし、生産台数も少ないので割高感が出てしまう。とはいっても10-20万円プラスくらいだろうから、防水やエアコンに比べると大したコストアップ要因ではない。むしろ大量に出ている屋内型にはマルチメディアプレーヤーが内蔵されていたのに、高輝度モデルにはそれがなかったとか、機能面やオプション面での違いがあり、必ずしも室内用の延長で屋外に増設できるわけではないことも注意だ。

 

冒頭の、お店の外にサイネージを出したい要望については、IP55でなくてもIP54の筐体を使った方が良いことが結論だ。

実際には未だこれらの防塵防水のことは意識されずに、屋内用をキャスタ付のスタンドに設置して、開店時に前に出して閉店時にしまうところもあるが、通路に出すには私道・歩道の区別や行動の場合は警察の許可も必要になり、別の課題がある。これについては改めて書きたい。

 

 

2018.5.18

お蔵入りしないサイネージ - レンタルのメリット

展示会など日数の限られたイベントでの一時使用では、プロジェクターや液晶大型パネルをレンタルして使うことは行われている。でも何か月も使うとなるとレンタルするよりも買った方が得だろう。しかし購入となると社内の手続きは面倒になる。一般的にデジタル化した事務機やパソコンのような陳腐化の激しいものは、資産使いには向いていない点がいろいろあり、2~5年程度のリースが使われる場合が多い。ただリースは支払いを均しているだけで、借金して買っているようなものだから、解約というのはなく、やめるなら残金を払わなければならない。まあ実際には安くて性能が良い新製品が出てくることもあって、リース会社では何らかの方法で乗り換えの面倒を見てくれることはある。

デジタルサイネージの場合は、購入・リース・レンタルをどのように使い分けたらよいのだろうか? リース・レンタルがよいのは、購入よりも若干高くついても、最初に設備の総額を用意しなくても始められる点にある。経営的にはリースは税制が変わって資産扱いになってしまったので、経費で落とせるレンタルが増える傾向にある。細かいことをいえば、レンタルは他人のものを借りているだけなので、契約後は返却することで廃棄物処理の手間や費用がかからないなどのメリットもある。

 

ただこういう細かい比較よりは重要なのは、レンタルの方が縛られにくい点であろう。まだデジタルサイネージをどう使えばよいか試行錯誤をしなければならない時には、リースは使いにくい。むしろサイネージを使う体制が整って、マーケティングや販促の一翼を担うものとして何十店舗に展開する時にはリースなのかもしれない。近頃は身近なチェーン店でも一挙に各店舗に展開する話を耳にすることがあるが、すでに年間予算が確保される段階になっていることがわかる。

 

しかし全体としてみればサイネージの試行錯誤をこれから始めるところの方が多いだろう。当然そのような段階では年間予算も計上されておらず、導入したい部門の中で費用のやり繰りをしなければならない。また何をもってサイネージが成功したといえるかもわかっておらず、体験しながら目標を定め、成功事例を作って横展開していくことになる。

この場合はレンタル契約にすれば、販促費用の一部として毎月支出し、内容も現場主導で試行錯誤ながらブラシアップしていき、半年、1年、といった期間を経て振り返えることで、サイネージの全社的な展開の企画が作れるようになるだろう。

その後のまとまった導入がレンタルになるかリースになるかはわからないが、例えば売場の模様替えや引っ越しが予定されているならばレンタルの方がよいかもしれない。つまりレンタルは流動的な環境やフレキシブルな展開に、よりフィットする方策だといえる。レンタルでも中途で解約すると、一旦清算するためのお金が発生するが、それは解約までの期間のレンタルに計算し直しているだけで、借りても居ない分のお金を払うわけではないからリースよりは得になるはずだ。

 

今の販促メディアの現場との距離関係を考えると、昔から完成されているメディアとして、印刷物のポスター・パンフ、販促ビデオ、Web・モバイル、POP という順に現場に主導性が高まっている。印刷やビデオというメディアは現場からは遠かったものが、現場にデジタルサイネージという表現の場が与えられると、それらのコンテンツを現場の感覚で再活用できるようになり、現場の持ち駒が増えたことになる。

いくらデジタルサイネージがレンタルで容易に導入できるようになっても現場に使う気が起こらなければポスター・看板と変わらないのだが、手描きのPOP制作を通じて現場のモチベーションが高まるようなところならば、印刷やビデオ・Webの素材をデジタルサイネージに展開しながら、より現場力を高めることできるのではないだろうか。

 

過去においてはサイネージの導入のための組織的な対応としては年単位の準備が必要で、そんな中で現場の動機づけやチャレンジも置き去りにされてきたきらいがある。それとは逆に携帯電話と同じ費用項目で経費処理できるレンタルなら、現場のヤル気に応じて導入して、工夫させて活用力を高めながら、台数も増やしていける。なにしろ毎月の販促を考える段階で真っ先に活用できるのがデジタルサイネージであるのだから。

2018.5.11

サイネージのアウトソーシング

最近の東京の繁華街の商業施設では、店舗の2~3割はサイネージの導入をしているように見える。

建物の外壁で軒下の半屋外のところにはマルチスクリーンの大きなディスプレイがあり、自動ドアの入ったところには施設案内がある。これらは管理会社が運用しているのだろうが、もうひとつ面白味には欠けるのか、見ている人は殆ど居ない。これら施設案内やフロア案内は単に看板から移行しただけで、それとテナント共通の季節テーマを交互に出しているのが多い。この場合は母の日である。

各店舗でも冒頭の2~3割はデジタルサイネージを使っているようだがコンテンツはほぼ印刷パンフレットと変わりはしない。上記写真のメガネ屋さんはカッコイイ動画を流していたが、そんなことの出来る店は少ない。らコンテンツで勝負する時代は、やはりこれからやってくると思える。今はまだそのための助走の時代なのだろう。

 

今日ではデジタルサイネージはネット通販でも買える。むしろそれが導入に一番安い方法かもしれない。だからといってネットでサイネージがものすごく売れているようにも見えない。すでに街ではいくらでも目につくデジタルサイネージではあるが、購入は容易なのに導入できないというのは何が問題なのだろうか?

一つは前述のようにCFやパンフなどが流用できない場合に、サイネージ独自のコンテンツを用意することがネックであることと、店舗のように少人数でまわしているところではサイネージのことを考える担当者を割り当てることがそもそも難しくてコンテンツの用意どころではないことが理由だろう。

 

お店の何をいつアピールするかというのは、店長や本部や本社の意向とか話し合いだろうから、それが決まった段階でサイネージの仕込みを依頼する社内スタッフが居ないとなると、企業の販促活動と併走するような外注というかアウトソーシングとして、コンテンツの計画や制作をすることが望まれているのではないかと考えてみた。

紙のチラシであれば、売るものさえ決めればあとは全て外注でレイアウトから印刷・折込まで手配できてしまう。いわゆるワンストップ化が出来上がっているのだから、サイネージもゆくゆくは似たようなことになるのではないか?

それがいつだかわからないが、その準備として、店長とアルバイト店員しか居ないようなところでも、外部に丸投げで安価なデジタルサイネージが発信できるようなサービス提供を、サイネージネットワークも始めようとしている。

それは、『液晶パネル+スタンド+STB』のパッケージをベースに、あらかじめ当初コンテンツの打ち合わせをしておけば、

1 設置場所と電気コンセントだけ用意してもらう。
2 毎日は電源を入れるだけで運用ができる。
3 USBやパソコンの操作も必要ない。
4 通信の配線や設定も必要ない。
5 毎月の更新も事前打合せに従ってネット経由で完了。
6 管理もネット経由で行い担当者が不要。

というサービスを、毎月のレンタルで始められるものが、サイネージネトワークから登場します。

2018.5.4

最初の1台

もしデジタルサイネージがタダで導入できるとしたら、どう使いますか? というようなことを、街のお店に唐突に投げかけてみたら、どういう反応が得られるだろう? おそらく役に立つような使い方が思いつかないから、今は遠慮するところが多いだろう。その意味ではデジタルサイネージはLED文字の電光看板やコルトンフィルムの電飾看板よりもとっつき難いものではないだろうか?

逆に、そんな使い方の判らないものを売っているメーカーがいろいろ存在することの方が不思議だ。売る方はうまく使っている会社の事例を挙げて説明していると思うが、うまく使えている要因はなかなか伝わらないのではないか。だいたい商売がうまくいくところは、バランスよくいろんな能力を持っていて、またサイネージを導入するとなると、そこで新たに必要となる能力も調達することができる会社である。これはWebやモバイルの活用、店舗レイアウトの最適化、メニューの刷新など、何に於いてでもうまく人材再配分ができる管理能力の高い会社といえる。

 

とっかかりとしてのサイネージ

 

そういう完成した会社とは対極的に、現状のいろいろな課題を何とかしたいと思っているところが多くある。しかしそこには販促の担当できる人が居ないか、忙しすぎて今以上の事ができないでいる。デジタルサイネージ以外にも販促メディアはさまざまあるものの、費用面以外にも準備の手間暇で着手するのが難しいとしたら、デジタルサイネージの特徴は、簡単に情報発信ができること、簡単に変更・更新ができることがウリにできるはずだ。

冒頭のタダでのサイネージの設置は難しいとしても、もし準備の手間暇がかからない目途がつくなら、とりあえず安いサイネージを導入して、試行錯誤しながら他の販促メディアよりも経済的に販促力を高めていくことができるだろう。

手間暇をかけないとはいっても最低限の準備はしなければならない。それは商材に関するものと、ビジネスのタイミングに関するものである。つまりそれらの用意があれば、まずサイネージから初めて、他の販促メディアにも展開していきやすいだろう。

 

例えば弊社サイネージネットワークに導入の相談を持ちかけていただくなら、商材に関しては今使われているカタログ・チラシなど主要な印刷物、ロゴマーク・商品写真などのなるべく品質の高いもの、またタイミングに関しては、年間の販売計画やキャンペーン・イベントのサイクル、などがベースの資料としていただけるとスムースに進む。またこれからどんなことをしたいかを伺えれば、毎月のテーマを予測することができる。これは販促カレンダーを作るようなカンジである。

販促カレンダーとは、例えば朝日オリコミのサイトには月別のものがあり、前年データとして、天候、出来事、行事が記され、新聞折込広告の会社なので日別の1世帯平均枚数実績までも載っている。また、今年予定されている行事、記念日があり、販売の重点テーマとして、例えば6月の父の日ではどのような商品に動きがあるのかも載っていて、自分の会社の販促プランの参考にできるようになっている。 販促カレンダー6月分

こういったものは業界別などさまざまなものが作られているので、自分に合ったものを選んでいただいて、制作側と共有していくと話し合いも行いやすい。

 

まずは漕ぎ出すことから

 

サイネージネットワークのような制作会社では、商材の素材と販促テーマさえいただければ、その先のレイアウト・デザイン・ビジュアル化に進めるので、デジタルサイネージの最初の1台に漕ぎ出すことができます。はじめのうちはコンテンツ制作に費用のかからない、既存の写真やカタログイメージを使いまわして、従来の販促をサイネージでも再現するところから始めたとしても、そんなサイネージを身近なところに置いて日々接することによって、『もっと、こうしたい!』という新たな方向性がきっと出てきて、販促意欲が高まってくると思います。その想いを毎月少しづつ表現していけば、その積み重ねがオリジナルな販促活動になっていくでしょう。

サイネージネットワークでは、以上のような準備に負担がかからず廉価なデジタルサイネージのスターターキットのサービスを近いうちに始めようと計画しています。