デジタルサイネージの大型ビジョンというとLEDビジョンが鮮やかで屋外でもよく使われている。LEDビジョンは昔は女工さんが100万個とかのLEDをはんだ付けしていたのが、今はタイルのようなブロック構造になっていて、ロボットが組み立てている。YouTubeに製造現場の動画があったので引用しておく。
これと違うやり方がLED Strip をつなげたもので、製造工場の組み立て工程ははるかに簡単なものとなり、製品も平米あたり何万円かになってしまう。また、透過型とかシースルーといわれるような使い方ができることも書いた。ただいわゆる解像度的には1dpi~4dpi程度なので、あまり狭い空間での映像表現には向かない。店頭POPとかイルミネーションとかが適しているだろう。
LED Strip でもLEDがテープに直交して取り付けられているSide Bar の場合は、テープの間隔が狭くできて解像度は向上するので、より映像には向いたものとなるし、シースルー効果も高くなる。LEDのSide Bar を透明なプラスチックの枠にタイル/ブロック構造に組んだものが、軽いので扱いやすく、実装すると上の写真のようなものとなる。
ただ映像が流せる場所でも、通常のサイネージのHDMIとかVGAの映像信号をそのままもってきて使うわけにもいかない。LED Strip には画像・映像の1ラインづつをシリアル転送しなければならない。データ構造は単純なので、画像データからの変換は安いラズパイ(Raspberry Pi)やアルデュイノ(Arduino)でもできるのだが、HDMIのようなフレームレートでの表現はできないだろうから、かなりコマを間引いたパラパラ漫画の上等のような映像になってしまうだろう。
このコントローラーはみなさんまだ開発途上で、安直に使えるものは少ないかもしれない。LED Stripが1本ならばアルデュイノでできたとしても、1辺が何メートルの映像となるとLED Stripが何百本になり、それ専用に開発されたドライブ装置が必要となるからだ。
時代の流れとして、LEDブロックからLEDストリップへの移行は必然のように思える。またLEDストリップは自動車への装着に次いで、家庭などのLED照明も変えつつある。つまり従来の電球や蛍光灯を外して付け替えるようなものではなく、建材とか天井材そのものが発光し、それがコントロールできるという取り組みもされている。これも注目すべき分野になるだろう。