効果とは? 始めるシリーズ⑥

広告・宣伝・販促 似ているが少しづつ意味合いは異なるが、はっきり区別できないところも多くあり、デジタルサイネージでもこの3つの要素は混在している。
販促ではどれだけ売らなければならないか、という目標がはっきりしている。商品を仕入れた数と売価の関係は、需給の強弱で変わっていき、アウトレットのような売れ残りになると、原価でも捌いてしまわないと、逆に管理コストや廃棄コストがかかってしまう。これは現場の課題になっている。
宣伝というのは元々は「売り文句」のようなもので、商品を適切にうまく表現できるといいが、嘘や大げさな表現をすると、消費者の誤認を招き被害が発生する恐れがあるとして、法律で取り締まられてしまう。不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)その他宅地建物取引業法第32条、特定商取引に関する法律第12条、医薬品医療機器等法第66条などなど、誇大広告の規制がそれぞれの分野にある。これはどんなメディアを使おうとも共通したことだ。
広告とは紙や電波やネットなどの広告媒体を使って、商品について消費者に期待をいだかせたり、会社の社会的役割を認識してもらったりする。どういう対象にどういったメッセージを送るかという問題でマーケティングに近い。

デジタルサイネージの効果を考える上で、販促は非常にわかりやすい。株や相場のような値動きが不断にあるものでは、いちいち紙に書いて貼りだしていては間に合わない。それに似たことが販売の現場にもある場合、例えば商品在庫やホテルの空き室が残りどれだけだとか、タイムセールでどれだけ値下げをしているかのような、紙ではできなかったことがデジタルサイネージでは可能になる。

しかし売場の刻々の変化に応じて値段を決める仕組みは人が作っておかなければならないし、その設定の上手下手で売り切り出来るかどうかも決まるだろう。だからデジタルサイネージにタイムセールの告知をするデザインやキャッチコピー、写真などは事前によく考えて制作しておかねばならないが、そのグラフィックスのクオリティで効果が出るとかは言い難い。

 

つまり表現とタイミングとを組み合わせた使い方で効果が出るかどうかが決まるはずだ。デジタルサイネージは事前にいろんな表現・表示物・メッセージを仕込んでおけるので、どのタイミングでどういう表示をしたらいいのか、というところを現場で考えなけれならない。

例えば、夜には居酒屋だったりバ―の営業なのだが、昼間はランチを提供する場合は、店の表のスタンド広告にデジタルサイネージを使って時間帯でメニューを切り替えるようなことが行われている。看板の架け替えをしているといえる。ただこれだけで売上増進が期待できるのだろうか? さらに工夫をするとすると、昼のランチのお客さんに夜の営業を宣伝するとか、逆に夜のお客さんに昼の案内をするような、クロスセルを店内のサイネージで行うことが考えられる。そうすることで昼夜共に来てくれるお客さんが増えたかどうかを見るのが効果測定になるだろう。

 

店舗でも何らかの販促に関する仮説をたてて、サイネージで一定の時間帯に宣伝して、その効果をリアルタイムPOSの売上集計でチェックすれば、サイネージのどの部分が効果があったのか無かったのかというのが推測できる。

いいかえると来客数や売上げの増減をあらかじめ測っているところにデジタルサイネージをおけば、両者の関連が把握できるようになる。だから、試行錯誤を重ねてデジタルサイネージの上手な使い方が習得できて、効果があったかなといえる段階に到達するだろう。これはサイネージであれポスターであれアナウンスであれ、同じことのように思える。ダイエットをするには毎日体重を測ってカレンダーにつけることが重要で、意識するようになれば自然に体重コントロールができるのと似ている。

 

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