オウンドメディアとして素顔を見せる

ちょっと考えればわかることだが、デジタルサイネージを置いただけで何らかの効果があるわけがない。まだチラシやDMなら、1000に一つでも反応がでるかもしれないのだが、デジタルサイネージはお店ならエクステリア・インテリアの一部にしか過ぎない。だから店舗設計なり販促キャンペーンなりの考えに基づいて、その中の一部の役割を果たすものとしてサイネージはあるといえる。例えば最新のサイネージが置かれていても、店がボロボロだとか、品ぞろえがイケてない、接客の態度が悪いなどなら、効果は出るとは考えられない。

これとは逆に、外の通行人からは分からない良さが店の中にあるのなら、それを表現する方法としてサイネージは使える可能性がある。いいかえると、どんな点で自慢したいことがあるのだろうか、というのを煮詰めてデジタルサイネージのコンテンツを考えればよい。よくこだわりのラーメン屋が客のいない時間帯に手間暇をかけて豚骨スープをつくっているようなテレビの紹介番組があるが、そういったコンテンツを自分でつくることは可能だろう。別にテレビの真似をするのがよいのではなく、今すぐできることから始めて、徐々に良いコンテンツに改善していくつもりなら、あまり費用をかけないでもサイネージのコンテンツはできる。

 

ビデオを撮るのが苦手ならば、イメージ写真の組み合わせでもよい。商品ならば、購入後の使い方とか、料理なら素材から調理の様子から盛り付けるまでの間の何カットかの写真があればスライドショーのようなものはできる。それにちょっと気の利いたコピーを工夫してかぶせければよい。その過程では家族や出入業者や制作会社に相談するなり意見を聞くなりする必要はある。そのような簡単な画像・映像の表現はYouTubeで検索すれば、たいていどんなジャンルでも見つけることはできる。要するに現在人々がYouTubeで見ているような手づくりコンテンツのようなもので、自分たちしか出来ないようなものを目指すのが良い。店主の想いが伝わるようにするには、まず店内の様子を伝え、店主の顔が良く見えるようにすることを心がけるべきだろう。

よく店の前の路面に看板スタンドがあって、店名・ロゴなどのほかに、写真やカラーコピーが貼り付けてあるが、デジタルサイネージはその延長でアピールする点を増やしていける。看板スタンドの面積は限りがあって小さな写真しか貼れないとしても、サイネージなら時間軸に並べていくので、多彩な表現ができる。大企業なら接客のイメージを向上させるために、きれいなモデルさんをつかって、お客さんに微笑んでいるような映像をとるだろうが、そのようなものが必要なわけではない。接客に自信があるなら実際の店員さんが素顔で働いている様子を映せば、それでも過去に店に入ったことがあるひとが、また店のことを思い出してもらうには十分だろう。他のメディアに比べて見てもらえる人が限られているデジタルサイネージではあるが、逆手にとってリピート客を増やす策に使えるのではないかと思う。

また、コンテンツを作り慣れたならば、タイムセール・特売などのアピールにはデジタルサイネージは向いている。この場合、実際の在庫の変動に合わせて、サイネージの方も値段の上下調整とか販売打切りができるようにしておく。

例えば『完売!ありがとうございました』というような画像もあらかじめ用意しておいて、臨場感を出すことができるだろう。こういう経験を経て販促キャンペーンを考える際にデジタルサイネージの出番が作られていくことになるはずだ。

 

 

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