サイネージ設置のトレンド

デジタルサイネージコンソーシアムの都内ツアーに参加して、丸の内/八重洲/渋谷/新宿における見どころを案内してもらった時に、2018年にはかなりハード面のリプレースとか新設によって、新しい方向が見えてきたように感じた。基本的に技術が変わったわけではなく、あまり多様化するのではなく、むしろパターンが絞られているのではないかと思わされた。例えばタッチパネルのユーザインタフェースが未熟なものが多いことを書いた。一般にスマホやパソコンのアプリはどんどん更新されて使いやすくなっていくのに対して、サイネージに組み込まれたアプリは進化がみられないというギャップがあり、観光ガイドなどもスマホに対して見劣りがしてしまう。

 

またカメラを組み込んだサイネージで何らかのソリューションをしようというものも実証実験の域を出ていない感じで、これからどのようにこなれたものにしていくかが課題だろう。一方で表示パネルはよいものが安くなることは確実で、それを見越した設備導入をしなければならない。同時にこれからは利用が減りそうなものは避けていった方が無難である。

例えば、マルチディスプレイで田の字に4面つける例はあまり見かけなくなって、むしろ縦3面の方が多い気がする。以前から画面センターにつなぎ目があることは気になっていた。それを避けるには3x3の9面にしてしまう手もあるが、そのサイズだとLEDビジョンの小さいのにするという選択肢もある。だがかつてのLEDビジョンはピッチが粗かったのであまり近くで見られたくなかった。そんな問題が次第に解決しつつあるように思える。

 

冒頭のツアーを含めて最近の街角をみると、ごく大雑把にいうならば、以下のようなものがトレンドになっている。

デジタルサイネージコンソーシアムの説明では、4k8kは輝度・コントラストで迫力が足りないのでまだサイネージには向かないのではないかということだった。それよりも縦3面が使いやすい。これは横長のコンテンツを流用しやすいし、広く使いたいときに縦3面を横に連結していけるので便利だ。連結しても3面ごとに別のコンテンツを流すという使い方が多い。

 

3x3の9面になると、タイルを貼りあわせるようなLEDパネルのモジュールが有利かもしれない。これはかなり希望に近い寸法に設置しやすい。またモジュールが故障しても取り換えが簡単にできる構造になっている。ピッチも6ミリよりも狭いものが次々に作られていて、1.2ミリピッチまである。新宿伊勢丹の向かいにあるアップルストアにはそれを使った巨大なLED画面がある。

これは2億円ほどかかったらしいというが、よほど近づかないとドットは見えない。このクラスの値段が下がるにつれて液晶からの置き換えが起こっていくだろう。前述の116V型(シャープ)の場合は6ミリピッチのパネルが3x4の12枚使われていが、これからだと2.4ミリピッチの導入が進むのではないか。

 

ディスプレイサイズが1フロア以上になるとか、ガラス越しに部分・全面に表示をするとなるとシースルーLEDが設置し始められている。前述のツアーでは銀座の日産ショールームの窓ガラスに使われていた。この方式はショーウィンドウの全面ではなく、一部分だけにも応用しやすいので、これからいろいろ応用の試みがされていくはずである。当面はそういう実験的な取り組みがされるのだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です