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2018.6.22

サイネージが身近にやってくる!

以前予告していたサイネージネットワーク社のデジタルサイネージのレンタルパックが正式に販売された。

国産で3年保証の43型デジタルサイネージとスタンド+STB+通信がすぐに使える状態になったセット『ミセール』のことで、月額17,300円(税別)のレンタルになる。

キャッチフレーズに、「プロがすすめる…」とあるのは、長年日本でデジタルサイネージを手掛けてきた経験が活かされている組合わせであることを意味しているが、どういう配慮がされているのかは、なかなか表面からはわからないかもしれない。

 

国産液晶パネル

従来、40型といった普及クラスは韓国のディスプレイが安かったが、ここでは国産が使われている。しかも一般には無料修理などの保証は1年であるが、このパネルは3年保証で、レンタル期間が2年であることを考えると十分すぎるくらいだ。一般に故障は代替機を送ってもらってセンドバックということになるが、仕事の忙しい時にそんな事故はごめんだから、なにしろ事故らないパネルが求められる。

「ミセール」はクラウド型といわれるもので、コンテンツの切り替えはネット上の操作になるが、USBのメディアプレーヤーも内蔵されているので、社員研修などでみんなで動画やスライドショーのプレゼンを見ながら研修する様なときにも使える。

当然HDMIをつなぎかえれば(あるいは切替機を入れて)テレビやDVDからの映像信号も流すことが出来る。逆にHDMIの分配器を使えば、同じコンテンツを近くの別のディスプレイに出すこともできる。要するに一体化した電子POP的なサイネージに比べれば、比較的に自由な使い方ができるのも特徴だろう。

 

完全おまかせモード

液晶パネルと別にSTB(パソコン)がついていて、そこに配信関係のアプリも入っている。クラウド型なのでネットで使うためのIDやパスワードを設定しなければならないが、それは納入時にセットされるので、以降は単に電源スイッチを入れるだけスタートできる。

コンテンツは担当の販売会社が面倒を見ることになり、PDFとかJPGとか動画ファイルを送れば、プレイリストとスケジューリングの設定をしてもらえる。要するにメールなどで依頼するだけで運用ができ、お店の人がパソコンや通信関連を触らなければならないところはどこにもない。

電源のオンもコンセントのところにタイマーをつければ自動化できるが、開店・閉店時にスタンドの位置を変えなければならないところなら、人がオンオフしてから移動させた方がいいだろう。

 

3年保証のSTB

近年、USBメモリの大型のようなスティックPCというものがあって、これを液晶パネルのHDMI端子にさせば、無線LANにつないで配信システムが使えるという簡易クラウド型も出てきた。簡易なCPUなので普通のパソコン型CPUよりも安いのだが、若干制約があったり、設置条件が悪くて長時間熱がこもってしまうと壊れやすい。

このスティックPCにはいろいろなタイプがあり、Android、Unbuktu(Linux)、Windows などのOSが異なると、当然ながら使えるアプリは異なってくるし、使いやすいWindows のスティックPCではそれなりに値段も上がってしまう。それと同じ価格帯でミセールは長年安定して使われているWindowsのSTBをセットにしていて、これも3年保証だから安心していられる。

ちなみにSTBなりスティックPCの中にメディアプレーヤーが入っていて、動画の再生などをする。そのCPU(GPU)の能力によって表示のぎこちなさが出る場合があって、当然スマホ並みのCPUであるスティックPCよりもintelCPUのSTBの方が安定している。

 

独立したネットワーク

上の構成図には出ていないが、ミセールのSTBにはモバイルルーターがついていて、LANの線を敷いてくるとか、WiFiの設定をしなくても外部のクラウドと通信ができるようになっている。もっとも電波の届かない設置場所なら、そこで使えるインターネットにつなぎこまなければならないが、今日では圏外はほとんどなくなった。このモバイルルータの価格も冒頭のセット価格に入っている。

デジタルサイネージを社内のWiFi・LANにつながず、独立したネッワークにしてほしいという要求は高い。社内ネットワークから無制限に外部につなげられる会社は無いだろうし、業務上で必要なものはシステム管理者がルーターの設定などをしなければならないので、基幹業務と関係ないデジタルサイネージに社内ネットワークを使わせてくれとは言い難い時代になっている。

特に近年は監視カメラや事務所の複合機がハッキングされるようなことも起こっていて、そんな悪戯の対象にされるようなものは設置したくないという傾向にある。デジタルサイネージもインターネットにタダ乗りというわけには行かないのだろう。

もし社内ネットワーク経由のデジタルサイネージなら、社内での了解を取り付けるのが大変なのが、ミセールは別系列の通信なので、サイネージを必要としている部署の判断と予算ですぐにでも始められることが大きな特徴となっている。

 

さて、コンテンツの用意は?

次回は、社内のどんなコンテンツを、どのようにサイネージに使っていくのかを採りあげたい。