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「制作アドバイス」カテゴリーの一覧を表示しています。

2018.11.23

LED Strip

街にも住宅にもクリスマスのイルミネーションが付き始めているが、これにもいろんな流行り廃りがある。豆電球の時代には夜空に星が瞬くごとく明滅する電飾がよく使われていたが、LEDになってしだいにネオンサインのようになりつつある。

さらに近年は自分で自由なイメージ表現ができるような、LEDストリップが作られていて、amazonでも売っている。

これは両面テープで貼り付けるような目的なのでテープの部分が黒ベースだが、透明テープを使ったものはカーテン状にしたものも売られている。

こういうのを使って大型のLEDビジョンを自作している動画がYouTubeにはあがっているくらい、簡便に加工や設置ができるし、電気工事も普通の家庭のもので可能になっている。コントローラもラズベリーPiなどの安いものを使い、スマホからWiFiで操作する動画もYouTubeには多くある。街角映像ではインドのものが多いように思える。

 

その仕組みは、RGB3色のLEDと、それをコントロールするICを、5ミリ角とかのサイズに一体化できたからである。

これにより、ちょうど昔のテレビの走査線のような信号をLEDストリップに送れば、画像の1スキャン分を表示できるようになるので、走査線の数だけLEDストリップを並べると、巨大なテレビのようなものが仕上がる。簡易防水のものは屋外にも使えるが、そのままではあまり耐久性はないと思う。もともとの設計がクリスマスのような臨時設営に合わせてあるからだろう。でもガラスの内側に貼れば大丈夫だ。

この写真はおそらく1インチピッチの目の粗いもので、十分に透けて見えるが、もっとピッチをつめて数ミリおきにLEDを並べたものもある。

こういう技術を使って、あらかじめ小ウィンドウのガラスに簡単な内装工事で取り付けられるようにユニット化したものが注目を集めている。YouTubeで、『シースルー LED』『透過型 LED』で検索するといろんな設置例をみることができる。

参考:https://www.facebook.com/photondynamix/

 

 

 

 

 

2018.11.15

コンテンツは誰が作る?

前回紹介したデジタルサイネージの本では、サイネージ分野を3つの業界から見ている。それらがデジタルサイネージコンソーシアムの核でもある。

あえて言えばエンドユーザーというか、サイネージを使う主役のことは外して議論している感があった。JR東日本などではデジタルサイネージは定着しているが、すでにマスメディアに匹敵するようなものになったことを書いた。ドア上の場所は運行情報を流す場所であったわけだから、実際にはJRが主役のはずで、JRの考え方とか利用の予定を聞いてみたいものだ。

きれいな広告は出るようになっても、人身事故や天候不良での遅れの情報、代理輸送案内などはサイネージで出るようになるのだろうか? 夏には高円寺阿波踊り、錦糸町河内音頭などの行事があるように、もし各駅を中心にイベントを開催していて、その情報を流したいとなったら、沿線においてサイネージを使った案内に便宜を図ってもらえるのだろうか?

 

デジタルサイネージの別の本に、『儲けを生み出す!魔法の映像看板 デジタルサイネージのすごい広告効果』というのがあって、そのp164には、『●コンテンツは店のスタッフがつくるのがいい』という文がある。

「映像看板のコンテンツは、店の販促戦略に合わせて時々刻々変えていく必要がある。そうなるとコンテンツをつくるのは、そのときどきの店の環境がわかっている人、つまり店のスタッフがベストだ。」ということで著者の会社では導入実験などを除き、基本的にコンテンツ制作を店側に任せ、その素材提供とかサポートに徹するという姿勢をとっているという。

それが可能なのはネットの利用とPhotoshopなども含めてパソコンで誰でもどこでもできるからで、オペレータを派遣している例はないし、リモートコントロールもほとんど行っておらず、「広告制作の主役は店である」という理念があるという。

 

このことは全く異論がなく、そうでなければ実際には役に立たないと思うが、それができるところはすでにデジタルサイネージでもネットのマーケティングでも行っていて、これから営業をするとなると、オウンドメディアに関しては自信のないクライアントを相手にすることが多いので、担当者の育成が鍵になる。

それで思い出したのだが、あるところがナイトクラブのチェーン店のWebを受注して店長Blogを目玉にしようとしたことがあった。とはいっても放っておいてBlogを書いてもらえるわけではないので、Web会社の営業は深夜の閉店時間に店を訪問して、店長一緒にBlogをどう書くかの相談にのっていた。そこまでするのはどうしてもこの事案を成功させたかったからだが、ずっと続くとなると営業の体がもたない。

 

現実のクライアント事情をかんがみると、素材提供も重要だが、最初の半年なり1年なりは、月間いくらかのサポート料をいただいて、手取り足取りでコンテンツ制作能力向上をお手伝いします、というビジネスがあってもいいのではないかと思う。

2018.11.2

デジタルサイネージはオウンドメディアの第一歩になる

愚痴を言うわけではないが、アメリカで登場したデジタルとネットによる新たなコミュニケーションツールが日本では十分活用されなかった状況を多く見てきたので、アメリカと同じような宣伝文句で日本のメディアビジネスをすることの限界を感じる。そうはいってもコミュニケーションのIT化に遅れるとビジネスでも教育でも大変なビハインドになることはわかっているので、その日本固有の障害を探して突破しなければならない。

そもそもコミュニケーションのツールをデジタル化する技術的なことは世界共通なので、日本にハンディはないのだが、コミュニケーションしようという志向が日米で大きく違っているのだろう。Webのオウンドメディアのことを以前も取り上げたが、日本の企業には広告代理店に外注する部門・担当はいても、顧客とコミュニケーションしようという担当は少ないために、日本のオウンドメディアが高評価されないのではないか。

この画面キャプチャーはコカコーラのサイトで、コークについて検索するような人が対象ではなく、コカコーラ社がどういう会社なのかを理解してもらうことを主眼にしていると思える。そのためにどこかに同社に関連したエピソードとか記事を掲載しているのだが、編集部には10人ほど居るようだ。日本の会社でそういう広報的な実務部隊を社内に抱えているのは、今ならオウンドメディアで有名な会社くらいなのかもしれない。

 

別の言い方をすると、オウンドメディアができない会社は、広告代理店に外注したありきたりの広報しかできない。それでも広告代理店は一流のクリエーターを抱えているので、お金さえ払えば消費者に魅力的なコンテンツは作れるのだが、コンテンツが魅力的であることとビジネスの成否はイコールではなく、儲かった企業が税金対策で広報活動に金をかける場合もある。業績が下降するとすぐに広報予算がカットされることでもある。

では予算のない組織ではどうすればよいのか? これは今日では難しいことではなく、そこで働いている人の日常をメディア化する訓練をすればよいのである。つまり美味いメシを食う時にはスマホで撮影してインスタに上げる習慣のある人なら、自分の扱う商品の良い点を撮影する習慣をつける。仕事がうまくいった時の社内のよい雰囲気も撮影して残しておきたい。扱う商材について仕入先から聞いた面白そうなエピソードもその都度SNSに上げておくのがよい。お客さんから褒められたうれしい話も社内で共有できるようにするのがよい。このようにして一人一人がソース情報を溜めこむことがよいコンテンツ作りの土台になる。

社長や偉い人が威勢のよい話をすることをデジタルサイネージで流しても、きっと振り向いてもらえないだろうが、消費者目線で面白いコンテンツというのは現場の人が感じているはずで、その人たちの訓練をする場として考えると、デジタルサイネージはオウンドメディアの第一歩になるといえる。

2018.10.16

いまだコンテンツは手探り状態

街には多くの動画表示がされてはいるけれども、それをメシの種にしようとしている人から見ると、あまり納得のいくデジタルサイネージには行き当たらないのではないだろうか。サイネージのハードウェアを購入したところは、コンテンツとして動画を流すか、支給されたテンプレートの写真や文字を差し替えて流すことが多かっただろう。特にスタンドアロンの店舗用サイネージの場合は、購入時にいろんな業種のいろんなシチュエーションに合わせたテンプレートファイルがいっぱい提供されていて、それを参考にすれば誰でも簡単にコンテンツを作れると教えられた。

だがこの次のステップとして、本当に自分のビジネスのためには、どんなコンテンツを作ったらいいのだろうかと考えると、先には進めなくなってくるところが多い。場合によってはサイネージの効果がわからないから止めてしまい、それ以前のポスターや掲示でもいいではないか、という逆行も起こっている。

 

これはデジタルサイネージを導入の際の基本設計が曖昧なことからきているのだろう。だからコンテンツ制作に於いて何を満たせばよいのか?というのが分からなくなってしまう。そもそもサイネージを売る側は、いろんな使用法や事例を紹介して、いいとこどりのプレゼンをしているのかもしれない。しかし必要なのは利用者が自分にとって必須のことを明確に意識しているかどうかだ。

街のサイネージを見ると、そのシステム出身によってそれぞれの利用分野がある。これらが大雑把なサイネージの用途でもある。それを考えるだけでも自分にとって必要なサイネージが何かが浮かんでくるように思える。

家電からは大型テレビ

番組をスケジュールして配信する放送局の送出システムに似せて配信管理のシステムが作られた。広告配信のようなもので制作面と運用管理は別である立場だろう。クラウド型サイネージはこれに近いものが多い。

電子POP

商品とともに棚に収まるような7~10インチの小さな液晶を使い、特定商品の説明的な内容を反復していて、もともとは販促ビデオなのでコンテンツもその延長にある。コンテンツはSDカードの入れ替えなので特に知識は不要。

表示器

銀行や病院では表示装置として他のコンピュータシステムから更新情報を受け取って表示する用途がある。その合間に他のコンテンツを反復表示しているが、ベースが専用システムであるために、販促的サイネージとしての運用の利便性はいまいちかもしれない。

案内用のタッチパネル

問合せを画面タッチで行うインタラクティブ型のサイネージがある。誰も操作しないときは他のサイネージと同様にコンテンツを流せるが、画面にタッチして操作してもらう工夫が必要だ。ボタンなどの選択肢を絞らないと、通りすがりの人に操作してもらうのは難しい。

一方で次のような見方もできる。

・大型テレビ

営業時間全体にわたってコンテンツの適切なスケジューリングをするには、多くのコンテンツを埋め込まなければならず、そこまでの販促は店舗レベルではなかなかやりきれない。

・電子POP

数が多くなると取り扱いが大変になる。通常ハード・ソフトともいろいろなところからの持ち込みであるため、ネットワーク化して一元的な運用はやりにくい。店舗側では効果があるのかないのか、わからず放置しているところもあるだろう。

・表示器

システム屋さんが作ったものが多いので、コンテンツもWindowsで簡便に作るように考えがちであり、クオリティの高い広告にはなりにくい。HTMLコンテンツを扱えるようになっていると自由度は高まる。

・タッチパネル

複雑な操作は向かないし、コンテンツごとにユーザインタフェースも変わって不統一になりかねない。ここでユーザインタフェースで苦労するくらいなら、いっそQRコードでも表示してスマホにバトンを渡した方が利便性は高いかもしれない。ということで今後は一般化して広がるかどうかは疑わしい。

 

というような現状なので、一つ動画コンテンツを作っておいて、いろんな局面に利用してもらうようなふうにはなかなかいかない状態でもある。

 

2018.9.28

カラーバリアフリー

サイネージネットワークのある文京区のWEBサイトを見ると、マルチリンガル対応になっていて、『English、中文簡体、中文繁體』が切り替えられるようになっている以外に、『音声読み上げ』と『色合い 標準:青地に黄色:黄色地に黒:黒地に黄色』の選択ができる仕組みがある。
新宿区、豊島区、練馬区なども同様の対応がされているが、実現方法はバラバラで、多くはホームページの記述そのものによるものではなく、新宿区は民間のサービス(リードスピーカー・ジャパン株式会社)を、練馬区は日立のアクセシビリティ・サポーター「ZoomSight」を導入して実現している。

 

この標準配色のほかに、ハイコントラストの色合い(3パターンを用意)に簡単に切り替える仕組みは、色の見え方が一般と異なる(先天的な色覚異常、白内障、緑内障など) 人にも情報がきちんと伝わるよう、色使いに配慮したユニバーサルデザインの一環であって、カラーユニバーサルデザインとも呼ばれ、印刷物でも近年は非常に意識されている分野である。

一方新聞などは基本的にモノクロであったのが、カラーテレビの時代になって天気予報での気温分布・選挙速報などでの色分け表示が、色覚異常者に識別の難しい色の組み合わせが目立ったことから、今世紀になって「色覚バリアフリー/カラーユニバーサルデザイン」の啓発活動が始められ、無意味な色の濫用を避け、 色によって情報の伝達が妨げられないよう啓蒙されはじめた。レーザポインタの赤い点も視認が困難な人が居る。駅の案内など公共空間分野では、札幌市が色弱者対策を進めたのが有名だ。

 

これはゲームを含めコンピュータの画面すべてに当てはまることだが、まだ対応は少なく、文京区などは先駆けであったと思う。その後他の区に及ぶに際して、民間の会社がソリューションを提供しはじめて冒頭のような状況になったのだろう。
文京区の標準配色は明るい灰色で、これは弱視者には通常見づらく、黒地に白文字が読みやすくなるという。色弱者にもいろんなタイプの人がいるので、黄色地に青字のウェブサイトが見やすいのと反対に、先天性色弱者は青色背景が見やすくなるなど個人差が大きいので、ウェブアクセシビリティ規格「JIS X 8341-3:2016」ではスタイルシートで配色変換ができるようにするのが望ましいとされていて、文京区はスタイルシートを選択できる構造にした。

 

このウェブアクセシビリティの規格は強制ではなく、可能な範囲でお願いしますというものなので、デジタルサイネージでやらなくてはならないわけではないが、その用途によっては考えておかなければならない事項だろう。

ただ上記の色弱者の個人差があるので、どのような配色をするのがベストなのかはいえず、現在の各区の取り組みも試行のうちなのだろうが、ガイドラインとしてはベストよりも避けるべきことは何かという意識を最初に持つのがよい。これは伝えるべき重要なことは高コントラストにするとか、赤緑の対比は使わないとか、きっといくつかポイントがあると思う。

ウェブアクセシビリティ規格の元であるW3Cには、明度差や色相差に関してのガイドがあり、次のような式が出ていて、明度差は125、色相差は500にするといい、文京区の色合いはそれを満たしているという記事があった。

 

(maximum (Red value 1, Red value 2) – minimum (Red value 1, Red value 2)) +
(maximum (Green value 1, Green value 2) – minimum (Green value 1, Green value
2)) + (maximum (Blue value 1, Blue value 2) – minimum (Blue value 1, Blue value
2))

 

デジタルサイネージでも明度差や色相差を検討するときには使える式ではないかと思う。