2018.6.8
デジタルサイネージは相談相手が少ない
デジタルサイネージを売っているところには、最新技術を使ったソリューションパッケージを強みとしているところがいろいろあるが、サイネージネットワークはどんな技術が使われても必要になる表現力の方でお手伝いすることをウリにしている。
とはいっても技術が関係ないわけでもなく、お客様の要望をお聞きして、このような技術や機材の組み合わせが合理的ですよ、という提案もしているので、ハード・ソフトおよびシステム・コンテンツのトータル提供とかトータルプロデュースというスタンスでビジネスをしている。
しかし『トータルに見積りします』では成約し難い面も多い。特に初期導入のお客さんは、予算面でハードの比重が高いので、見積もり合わせの場合にハードがちょっとでも高めになってしまうと、システムやコンテンツの比較が霞んでしまいがちだからだ。『内容はいいけど、金額が…』という場合のほとんどは、ハードで負けている。
本当は望ましいのは、ハード・システム・コンテンツについて、それぞれお客様が一番良いと思うものを選んで組合わせできることだが、まだそこまでデジタルサイネージは成熟していない。こういうことはアンバンドリングと呼ばれ、ケータイ電話の頃はキャリア・装置・サービスが一体であったのが、スマホ時代になって、どの機種でどのキュリアでも同じサービスが受けられることが増えたような進展がデジタルサイネージにも求められる。
サイネージネットワークも『トータルに見積りします』といった場合に、バンドリングという『込み込み』の弊害に巻き込まれやすくなってしまう。このことはお客さんの方からみると、見積もり合わせにおいて部分比較ができにくいとか、もっというとそれぞれの提案者の本当に得意としているところが何なのかわかりにくくし、ベストの組み合わせを考え難くしているともいえる。
そのために推測ではあるが、デジタルサイネージの購入は実はすでに決まっているにもかかわらず、見積もりを依頼してこられるとことがある。おそらく他の会社の意見を聞きたいとか、お客さんがやろうとしていることが間違っていないことを確認したいために、別業者の見積もりを求めているのである。これは別のお医者さんにセカンドオピニオンを求めるのと似ているが、業者側の正式な業務でもない情報目的の見積もりだ。
こちらもうすうす気づきながら将来のことを考えて対応しているし、できることならハードやシステムは何でもいいからコンテンツ制作とか運用管理を任せてもらいたいなと考えるわけだが、デジタルサイネージに特化した話になってしまうと、そういういろいろな業者を取りまとめるところがないので、お客様はトータルパッケージとしていずれかの業者を選ばざるを得ない。
サイネージだけではなく、販促全般をどこかがとりまとめているならば、メディアによって制作会社を変えるわけにもいかず、ハード・システム・コンテンツのアンバンドリングをせざるをえなくなるはずだが、まだ販促の中にデジタルサイネージがきちんと位置付けられるところまでもいっていない。
サイネージネットワークへのお問合せは、ムリムリ見積依頼の形をとらなくても、どんなやり方が考えられるのか、という相談の形で、見積もり以前の構想段階からぜひ持ちかけてください。